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●是正勧告の事例
就業規則を作成していない。
●是正勧告・事例の詳細
C社は8名の正規従業員と4名のパートタイマーを雇って機械製造業に従事している。会社と従業員の関係はよく、これまでとくに行政からの指導もなく事業運営をしてきたが、今回労働基準監督署の定期調査にあたり、就業規則を作成していないことが指摘された。就業規則の代わりに「社則」があると提出したが、内容を見た監督官は「これは就業規則ではない。就業規則を作成して、所轄労働基準監督署に届出るよに」と是正勧告を出した。
●是正勧告書の内容
法条項等 |
違反事項 |
是正期日 |
労働基準法
第89条 |
常時10人以上の労働者を使用しているにもかかわらず、就業規則を作成し、所轄労働基準監督署長に届出ていないこと。
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20・6・11 |
●なぜ是正勧告を受けたのか?
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、労働基準監督署長に届出るよう法律で義務づけられています。この常時10人以上というのは正規社員だけでなく、パートやアルバイトなど会社が使用しているすべての者を含むので、たとえばC社のように正規従業員が8名であっても、その他にパートタイム労働者を常態として4名使用していれば、就業規則の作成義務が生じるわけです。
また独自に作った「社則」を提出しても、内容が法律に基づいたものでなければ就業規則としては認めてもらえません。たとえば法律で決められた記載事項がきちんと記載されているか、労働時間など各制度が法律に抵触するものになっていないかなど、就業規則と認められるには、さまざまな項目をクリアしていなければならないのです。
さらに付け加えておけば、法律をクリアしても、それだけでは問題の起こりやすい就業規則を持つことになります。というのは法律で決められた記載事項には、リスク回避などの項目が抜け落ちてしまっているからです。
たとえば残業対策、社員トラブル回避といった要素は、法律の記載事項には含まれていませんが、就業規則を作成するなら必ず入れておきたい要素の一つです。
いずれにしてもC社については、就業規則の作成・届出は法律上必要と判断できますから、まずはきちんとした就業規則を作成し、是正期日までに労働基準監督署に届出ることです。その上で、就業規則の写しを添えて是正した旨を報告するといいでしょう。
●是正報告書の書き方
是正勧告の指摘箇所
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是正報告書の記載例 |
〔就業規則を作成していない〕
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