こじま眼科(姫路市)

東日本震災兵庫県医師会災害支援

私が行ったのは震災後36日目から38日目になります。

眼科医が何か出来ることが有ればと参加させていただきました。


まずは行く1週間ぐらい前より現地入りしている先生方と連絡を取り合い必要な物品、患者の様子、現地の状況等出発日まで

準備をおこないました。

     
     



被災地の被害は甚大で兵庫県医師会は石巻中学校、住吉中学校、山下小学校、公民館、図書館を中心に活動しましたが、

石巻中学校には500名前後の方が、他の学校では300から400名の方が避難生活を余儀なくされていました。


     
     



私の参加した時は内科、小児科、泌尿器科、産婦人科、眼科の5人のチームで活動しました。本拠地となる石巻中学校到着して

申し送りを行ったのですが、その最中に教室で人が倒れたとの報告が有り、すぐに駆け込むスタートでした。

その男性は震災にて妻や子供、自宅まで全て津波に流された方で、極度の不安からと思われる過呼吸をきたし身体の診察だけ

ではなく心のケアも必要だと思わされました。

被災者の皆さんに、積極的に声を掛け、動く事が望まれます。避難所での診察時には努めて明るくふるまいました。


     
     



診察は学校の教室や図書館の1室を借りて行い、内科系の先生とペアで行う事が多く、眼科の診療自体は、やはり1カ月経って

いる事もあり、急性期の疾患は少なく、コンタクトレンズや眼鏡が流された、白内障や緑内障の薬が流されたなどが多く、あとは

砂埃が激しいため結膜炎になった等の軽傷の方がほとんどでした。



     
     



今回の医療支援に当たって困った事の1つとして医薬品の確保があります。

医薬品が送られたとの情報で現地に入ったのですがまったく足りなかったため、引き継ぐ前の眼科の先生は、患者さんから薬も

持たずに医者が何しにきたと言われたことがありました。

個人で確保し持参しましたが、刻々と状況が変わる現地では必要な物資を把握する事は困難でした。


     
     
     


被災者のかたは仮設住宅の手続きや自宅が残っている方は片づけなどが有り、日中は人が少なかったようです。

そのため患者さんは医療支援開始当初の頃と比べると3日間で50人弱と少なくなってきました。

また患者さん自体もガソリンスタンドの再開、道路の整備が少しずつ行われ、人の移動出来る範囲が増え、15万都市の石巻に

2か所だけとはいえ眼科医院が再開され、自力で受診に動ける方が増えてきました。

このまま交通がスムーズに行われ、まだ再開していない医院が再開出来れば眼科医療支援は一旦落ち着くとおもわれます。

     
     
     



被災地の復興を心より祈念いたしております。

こじま眼科(姫路市)