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<B5判30ページ 500円>

――不登校は不登校で終わらない――
こんがりトーストの会に入会された方に
差上げています。
☆冊子の一部を紹介します。
実際のページは、イラスト説明も多く読みやすくなっています。
不登校の対応の基本
ステップ1 学校信仰を捨てよう
ステップ2 あるがままを受け入れよう
ステップ3 生体リズムを整えよう
↓
生き生きと生きる力が生まれる
はじめに ――不登校に身体的視点を――
T 不登校は不登校で終わらない
エジソンになれない子どもたち
不登校の対応の基本
U 子ども不在の学校教育
数学は何のために勉強するの?
「かけ算九九」を覚えなくても勉強できる
授業に感動が欲しいが・・・・・
子どもには学校へ行く義務はありません
教育(Education)の語源はEducate(引き出す)です
本の紹介『競争原理を超えて』
「只今、家で豊かに学んでいます」
「少年だけを責めないで」
V 「エジソンになれない子どもたち」の体
生体リズムの変調
発達外来の医師の話
脳血流の低下(熊本大学医学部の研究)
深部体温の変化
耐性の低下
活動エネルギーの低下こそ問題だ
本の紹介『子どもの発達と生活リズム』
W あるがままを受け入れる
あるがままを受け入れるということ
心を受け止めるということ
先生への要望例
親子の信頼関係を取り戻すために
「あるがまま」と「わがまま」とは違う
QアンドA
「本音をはける人間関係も大切」
X 生体リズム(体内時計)の整え方
発達外来の医師による指導
体の目覚ませ方
あせらず、じっくりと
夜の過ごし方
生活全体の見直しを
早期発見・早期治療は大事
創意工夫を
鍼は体のバランスを整えてくれる
漢方薬治療も経験と勘がものをいう
本の紹介『子どもの病気は食べて治す』
本の紹介『粗食のすすめ レシピ集』
不登校を治す薬もありますが・・・・・
Y 不登校は誰にでも起こりうる
子どもをとりまく劣悪な環境
食品添加物は1日10g、1年で4Kg体内へ
学校生活(ストレス)が不登校を呼んでいる
今の子どもたちは疲れている
日の出とともに自律起床できない子どもは危ない
あとがき
はじめに
――不登校に身体的視点を――
不登校は、根本的には学校の問題です。しかし、学校だけの問題でしょうか。
不登校が学校だけの問題であれば、別の道を捜せばいいのです。現に、学校を去り別の場所で生き生きと生活している子どももいます。けれども、現実には、エジソンのように自分の興味・関心に沿って勉強していくとか、自分のやりたいことを捜すとかという「元気」をなくしている子どもも少なくありません。これまで、不登校は「学校嫌い」(文部省)という扱いをされてきましたが、学校へ通っている子どものなかにも「学校嫌い」「勉強嫌い」の子はたくさんいます。同じ「嫌い」でも、学校へ行ける子と行けなくなってしまった子の違いは何なのでしょうか。
実は、「エジソンになれない子どもたち」には、身体的な変調が起きているのです。一例を挙げると――熊本大学医学部では、不登校児の脳血流の低化を確認しています。(本文9ページ参照)「脳血流の低下なんて、特別な子じゃないの。」と思われるかも知れません。――確かに、すべての不登校児にあてはまるとはいえないでしょう。しかし、検査で発見されないような体の変化は必ずあるはずです。そもそも、睡眠の乱れというのは、生体リズムの変調なのですから――。単純に考えても、不十分な睡眠が続けば、生き生きとした活動ができなくなって当然です。
よく、カウンセラーが「あるがままを受け入れて下さい。」と言いますが、あれは、今は体が「元気」ではないため、あれもこれもがんばれる状態ではないので、あるがままを受け入れましょう、ということなのです。まずは、あるがままを受け入れることによって心身を休ませ、ある程度「元気」が戻ってきたら今度は、生体リズムを整えていくことが必要なのです。「子どものすべてを受け入れねば。」と親がひたすら待つことしかしなければ、子どもはいつまでたっても立ち上がるための土台が築けません。ですから、学校と縁が切れてもなお家に引きこもるということも起こるのです。
不登校は、ともすれば、「怠け」とか「わがまま」と片付けられがちですが、心は体の中にあるのです。体が疲れてくると、心も重くなります。心が重くなれば、更に体が・・・ということも起こります。逆に体が「元気」になれば、心も軽くなります。心が軽くなれば生活も自然に変わります。不登校に身体的視点を入れて考えるということは、非常に大切なことなのです。学校を変えることは容易なことではありませんが、生体リズムを整えるために体質改善をすることは今すぐ取り組めます。まずは、生き生きと生活できる喜びを、ぜひ子どもたちに味わってもらいたいと願っています。
エジソンになれない子どもたち(宗守優子)
子どもというものは本来生命力に満ち溢れ、学習意欲も満々ともっている。だが、知育偏重、詰め込み主義・序列主義の学校教育がその芽を摘んでいる。子どもたちは「学校アレルギ−」を引き起こし、学校へいけなくなってしまう子どもも年々急増している。
「学校アレルギ−」は学校がアレルゲンなのだから、無理やり学校へ引き戻そうとしてはいけない。勉強なら学校へ行かなくてもできる。むしろ、在宅学習の方が子どもの興味・関心に沿った学習をしやすいので学校よりも豊かで実りある学習ができるともいえる。かの有名な発明王エジソンも在宅学習で才能を開花させている。我が子が不登校になっても嘆き悲しまないで欲しい。
ところが、問題なのは「エジソンになれない子どもたち」である。単に、「学校が嫌いだから、学校やーめた。」という子どもはいいが、心身共に疲れ切り、学校へ行けなくなってしまった子どもは大変だ。食欲が落ちる・よく眠れない・学習意欲が湧かない・極端にデリケート理系とになるなど様々な「生活障害」が生じ、生き生きと生活しがたくなっている。
どうしてそうなるのか。それは、睡眠量の不足に起因する。大人でも睡眠不足になると、体がだるい・怒りっぽくなる・思考力が落ちる・判断力が鈍るなど様々な支障が生じる。ましてや「発展途上人」である子どもが睡眠不足になったら、大問題が起こるのだ。
発達外来の医師によると、「朝6時(日の出時刻)に自律起できないのは中枢神経が未成熟なためであり、中枢神経が未成熟だといろいろな支障が生じる。中枢神経を育てるためには、朝6時に起こして一度外へ出すことが必須条件。」とのこと。
「夜行性の動物がいるのだから、人間だって夜型の子どもがいてもいいではないか。」とか、「夜眠れない人は昼寝ればいい。」なんていう人もいるが、それは間違いだ。深い眠りは午前0時ころまでをピークとしてよるの前半の眠りによく出て、午前1時半以降の出現はあまり望めないという。私自身、子どもの不眠に付き合って昼夜逆転した生活をしたことがあるが、夜寝ないでいると昼間何時間寝ても疲れはとれなかった。夜行性の動物は、一日に何回も浅い眠りと目覚めの繰り返しをする動物だそうで、単に人間と逆の生活をしているという訳ではないのだから、いっしょにしてはいけないのだ。
睡眠量は、睡眠時間と眠りの深さで決まる。充分な睡眠量を確保できる子どもは、日の出とともに自律起床できる。しかし、睡眠量が足りない子どもは、その不足を補うために朝寝坊となる。日の出よりもずっと早く起きてしまう子は、睡眠不足にもかかわらず眠れない状態であり、より深刻なのだ。
「生活障害」は、睡眠量が不足するにつれて重くなり、睡眠の量が増すにつれて子どもはどんどんたくましくなり見事に成長していくという事実があることは知っていただきたい。不登校のゴールは学校へ行くことではなく、子どもが生き生きと生活できるようになること、生き生きと学習できるようになることではないだろうか。
単なる登校拒否ならば、「卒業」になれば終わりになるが、「エジソンになれない子どもたち」がそのまま社会人になったら、今度は、慢性疲労症候群・出社拒否・心因反応などなど日常生活に支障をきたすような様々な難題がまた降りかかってくる。不登校は病気ではないという人もいるが、不登校は身体的な要素をも含んでいる。子どもがパワー全開で自分の道を進んでいけるよう、早急に体質改善を始めて欲しい。
ところで、深い眠り(熟睡)ができる体をつくるにはどうしたらよいか。心身共に疲れ切り不登校に至ってしまった場合、いきなり朝六時に起こして外へ出すなんてことは難しい。子どものすべてを受け入れることからスタートし、その子に合ったきめ細かなステップを踏んでいかなければならない。時間もかかる。できればそうなる前に、快眠・快食・快便・快汗、そして笑顔づくりを心掛けて欲しい。不登校は誰にでも起こりうる問題なのだから。
あとがき
ちょうど2年前に、「心と体はつながっている。」というテーマで、「こんがりトーストの会」を立ち上げました。そして、今年、『健康教室 増刊号 不登校・高校中退、その後』(富田富士也編・東山書房・1999年2月発行)に出会いました。この本は、「学齢期を過ぎ“不登校・高校中退”から“その後”を生きる子どもたち・若者の実態を紹介する本格的な初の書」です。この本によると、やはり、「エジソンになれない子どもたち」は少なくないようです。
私の教職経験から申し上げますと、年間の欠席日数が20日に達している子どもについては、今すぐ体質改善をお勧めします。個人的な体験から申せば、夜横になった後、10分以内に寝付けない子にも、積極的に体質改善すべきだと考えています。そして、生き生きとした未来を子どもにプレゼントしてほしいと思います。
本冊子は、実践からスタートしています。教職経験や体験から得た考え方や、医師などから聞いた話を大まかにまとめてみました。これまで、大学教授、著名なカウンセラー・医師などの専門家や、児童相談所など様々なところへ足を運びましたが、結局、行き着いた先は、「生体リズムを整えるということがいかに大切であるか」ということでした。
今回は、事例や細かなことまで筆が及びませんでしたが、「こんがりトーストの会」では、月一回不登校の学習会を開いておりますので、興味のある方は是非お出かけ下さい。
ところで、「不登校に身体的視点を」と主張することで、不登校がまた個人の問題へと戻されてしまうのではないかという懸念があります。私達が言いたいのは、不登校には身体的な要因もあるということで、それ以上に解決されなければならないのは学校の問題だと考えているということを最後に付け加えておきます。
子どもがある程度「元気」になったとき、次に困るのが、子どもたちの行き場がないということです。子どもが学校に合わせていくのではなく、子どものための学校づくりが緊急に求められています。教師の資質の向上ももちろん大切ですが、個々の教師の努力だけでは解決できない根本的な問題があるということが、もっともっと論議されることを願っています。
1999年9月
子どもの未来を考える「こんがりトーストの会」
代表 宗 守 優 子