EUと多元主義エリート論


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Posted by 倉西先生 on 2007/04/10 18:51:17:

    質問
     EUとは、「多元主義エリート論」によって最も良く説明されるのでしょうか?

    回答
     1960年代から70年代の研究を中心として、EU(EC)とは、ユーロクラット(ECの官僚組織)を含む委員会と加盟国のエリート官僚によって推進された上からのプロジェクトである、という主張が頻繁になされてきました。これは、講義でも説明しますように、関税政策や共通農業政策といった共通政策を実施するに当たって、ECが行政的な役割を果たしてきたことに注目した見解です。
     しかしながら、80年代以降、市場統合、金融・通貨統合、さらにはEUの成立へと向う過程におきまして(政策領域が拡大!)、より市民(加盟国の国民や欧州市場の参加者・・・)に近い存在としてのEUが模索されるようになりました。この傾向は、政策決定過程における民主化や司法制度の充実にも見られます。最近のEUには、エリート主義からの脱却を試みる姿がうかがえるのです。


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