勧告と意見について(杏林大学)


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Posted by 倉西先生 on 2007/05/14 20:57:16:

    質問
    1.勧告や意見に法的拘束力がないのは、何故ですか?
    2.勧告や意見に法的拘束力が生じるには、どのような状況が必要ですか?

    回答
    1.EUの法形式については、EC条約に規定があり、勧告や意見には、法的拘束力がない、と明記されています。もっとも、法的拘束力がないことが、悪いとばかりは言えません。何故ならば、むしろ、法的拘束力がないことが、EUの運営を円滑にしている場合もあるからです。第一に、勧告や意見は、国益が対立する分野にあっては、加盟国の自主性を尊重することになります。第二に、法的拘束力のない形式を用いれば、EUのある機関が他の機関や加盟国などに要請などを行う場合などに、相手方に再考の猶予を与えることもできます。第三に、これらの方式は、EU内部のコミュニケーション手段としても利用されているのです。
    2.勧告や意見の法形式のままでは、法的拘束力が生じることはありません。従いまして、規則や指令、あるいは決定といった法形式において立法される必要があります。ただし、EC条約において、勧告や意見しか採択することはできない、と定めてある事柄については、法形式を変更することは不可能です。


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