一元論と二元論


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Posted by 倉西先生 on 2007/05/18 20:23:32:

    質問
    1.一元論とは、国内法が国際法化することを意味するのですか?
    2.二元論とは、国際法をその国にとって有利な措置ができるように国内法にする、ということを意味するのですか?
    3.二元論の国が、EU法を国内法化させた場合に、元の国内法と重なってしまった部分があった場合には、どちらの法律を優先させてきたのでしょうか?

    回答
    1.一元論とは、質問の内容とは反対に、国際法が、国内法化すせずして、国内において効力を持つことを意味しています。
    2.二元論では、国際法体系と国内法体系は別次元のものと考えますので、国際法が効力を持つには、国内において立法措置をとる必要があります。その際に、二元論の国であっても、必ずしも”自国に有利”なように内容を変えて立法するわけではありません。むしろ、誠実に国際法の内容を国内法に移し替えませんと、その国は、他国からの信頼を損ない、国際的な信用を失墜させしまうかもしれないからです。
    3.EUの場合には、一元論の国でも二元論の国であって、直接適用性を持つ条約や法律に限っては、EU法を優先する原則が確立しています。むしろ、EU法と国内法とが衝突するような具体的な事件が発生して、はじめてこの原則が判例によって確立するようになった、と表現しても良いでしょう。


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