政治家の先憂後楽(鶴見大学)


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Posted by 倉西先生 on 2007/05/19 13:34:28:

    質問
     確かに、政治家の資質として、情熱、責任感、判断力も重要であると思いますが、「先憂後楽」の思想をもった政治家こそが良い政治家と言えるのではないでしょうか?

    回答
     先生も、政治家さんには、是非とも、「先憂後楽」の思想をもっていただきたいと思っております。国民より自らを優先して楽を求めたり、世の中の憂いに無頓着で気付かないようのでは、一生懸命に働いて日々の生活を送っている国民に対しまして、”しめしがつかない”というものです。
     もっとも、この言葉は、宋の范文正公(范仲淹)の『岳陽楼記』に記されているようですが、おそらく、この精神は、ウェーバーの述べる”情熱”や”責任感”にも通じるのではないかと思います。国民に対する情熱があれば、世の中の憂いを先んじて見つけようとしましょうし、また、責任感があれば、先んじて楽を求めたりはしないでしょう。
     政治家とは、政治権力を用いることができる立場ですので、それを、自らの利益や楽しみのために濫用しがちです。外敵よりも恐ろしいことは、政治家さんが、自らの心の弱さに負けてしまうことなのかもしれません。


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