一元論と二元論(杏林大学)


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Posted by 倉西先生 on 2007/05/21 16:01:13:

    質問
    1.一元論と二元論の違いが分かりません。
    2.EUの加盟国には、一元論の国と二元論の国とがありますが、混乱は起きないのでしょうか?

    回答
    1.国際法と国内法との関係のとらえ方は、国際法学において二通りに分かれます。ひとつが、一元論であり、もうひとつが、二元論です。一元論とは、国際法と国内法を一続きの法体系とみなします。ですから、原則としては、国際法に国内的な効力を持たせるために、わざわさ国際法を国内法化する必要はありません。一方の二元論は、国際法の体系と、国内法の体系は、もとより別々のものと考えます。この考えに基づきますと、国際法は、国内の立法過程を経て国内法化しなくては、国内的は効力を持ちません。なお日本国は、二元論の立場です。
    2.EU全体として問題や混乱が起きることはありませんが、それぞれの加盟国で法的な問題が生じることはあります。特に、EU法の場合には、派生法と直接適用性の存在がありますので、一元論の国でも、二元論の国でも、程度の差はあれ、対応に苦慮することになったのです。結局、いずれの加盟国でも、EU法を優位させるという原則を確立することで、この問題に、ある程度の解決を見ています(ただし、抵触問題がすべてなくなったわけではありませんが・・・)。


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