Posted by 倉西先生 on 2007/05/21 16:47:05:
1.イタリアが、EU法の優位性をなかなか認めなかったのは、何故ですか? 2.Costa c. ENEL事件(1964年)の事件の内容がよくわかりません。 1.イタリアは、大陸法の伝統を受け継ぐ国ではありながら、国際法と国内法との関係については二元論の立場をとっていました。もちろん、こうした法思想的な側面も重要なのですが、政治的には、60年代は、共産党を含む左派が政権(1963年モロ政権成立・・・)にあったことも影響しているのかも知れません。当時のEECは、自由主義経済の路線を歩んでおり、このことが、公有化路線を進めていた左派政権にとりましては、外部からの自由化圧力と映った可能性はあるのです。 2.Costa c. ENEL事件もまた、イタリアの左派政権と関連しています。この事件は、民間の電力会社を、政府(モロ政権)が国有化したことから発生しました。民間電力会社の株主であったコスタ氏が、政府の公営化政策によって株主の権利を侵害されたととして訴えたのが、この事件なのです。
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