EU法の優位性と三権分立(杏林大学)


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Posted by 倉西先生 on 2007/05/21 18:20:08:

    質問
    EU法の優位の原則が確立する過程で、原加盟六カ国の裁判所は、この原則を認める判断を相次いで行いましたが、これらの判例は、三権分立の原則に反するとされなかったのですか?

    回答
     加盟国の国内法に基づていEEC条約は合法的に批准されましたので、その後に生じる法律問題(EU法と国内法との抵触問題)について、加盟国裁判所が法律上の判断を行うことは、三権分立に反する行為とはなりません。仮に、民主的な手続きを経て成立している加盟国政府が、政治的な決定として条約に調印し、それを、民主的に選出された議員によって構成される議会が承認したにもかかわらず、裁判所が、一方的に当該条約の無効を宣言するようなことがありましたならば、それこそ、三権分立の侵害となりましょう。


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