自由と平等について(鶴見大学)


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Posted by 倉西先生 on 2007/05/26 09:43:25:

    質問
     自由と平等とは、紙一重なものではないでしょうか?


    回答
     自由も平等も、なかなか定義の難しい言葉です(様々な場面で多義的な用いられ方をしていますから・・・)。そこで、まずは、どのような文脈の中で、これらの言葉を使うのかを明らかにしなくてはならないのですが、昨日の講義では、経済(財政政策)との関係から、これら二つの言葉を用いましたので、この文脈で回答いたします。
     経済の文脈にあっては、個人の経済活動の自由と所得の平等は、基本的には、反比例する傾向にあります。と言いますよりも、所得の平等を実現しようとすればするほど、政府は、個人の活動の自由を制限したり、個人の自由な活動の成果を課税という形で徴収しなくてはならなくなる、とは言えましょう。
     もっとも、自由と平等を、”個人の経済的な自由や権利を、個々人が平等な範囲(同等性)で相互に認め合っている(相互性)、あるいは、政府や社会が、個人の活動の自由について機会の平等を実現している”、という文脈において語るときは、両者は両立しています。


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