関税同盟の意義(杏林大学)


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Posted by 倉西先生 on 2007/04/16 16:23:31:

    質問
     自由貿易体制における関税同盟の意味とは何でしょうか?

    回答
     関税同盟とは、関税を撤廃あるいは削減することによって加盟国間での貿易を自由化する一方で、加盟国以外の国に対しては、共通の関税を設定することです。つまり、内にあっては自由貿易圏を形成し、外に対しては共通の関税壁を設けることなのです(これ故に”同盟”という…)。
     戦後の世界大の自由貿易体制への移行の中で、EECは、GATTの定める規定に従って、外に対して排他的にならない開かれた関税同盟を結成し、戦後の自由貿易体制の確立に貢献しました。その一方で、農業といった国際競争力の乏しい分野にあっては、EECの共通の関税壁を保護主義の手段として用いたのです。この意味において、関税同盟は、自由貿易主義の促進と保護主義の温存という二面性をもつことになったのです。ただし、この欧州の農業保護政策は、GATTの交渉の度に、ケアンズ諸国などの穀物輸出国から批判を浴びることになりました。


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