EUの法の支配について(杏林大学)


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Posted by 倉西先生 on 2007/05/28 20:22:40:

    質問
    1.EUは、”法による支配”を強力に実現していますが、新規加盟国や加盟申請国は、この姿勢についてゆけるのでしょうか?
    2.価値観の違う国は、どのようになるのでしょうか?

    回答
    1.EU法(アキ・コミュノテール)を受容し、それを国内において執行する充分な能力があることが、EUの加盟条件となっています。ですから、ついていけるか、否かを問う以前に、”法の支配”に欠ける国は、そもそもEUに加盟できないのです。
    2.EUは、民主主義、自由、基本的な自由と権利の保障、法の支配・・・といった価値観を土台に加盟国が結束することによって成り立っています。何故、このような価値の共有が必要なのか、と申しますと、第一に、加盟国間の価値観の対立による分裂を避けること、第二に、ヨーロッパ文明が到達したこれらの価値観は人類の幸福の見地から普遍性を持つこと、第三に、EUの機構を設計する当たってこれらの価値観を具体化せねばならず、その際に、価値の共有が不可欠であること、などを挙げることができます。つまり、これらの諸価値は、加盟国を相互につなげ、EUの結束を強める働きをしているのです。もし、価値観が異なる国が加盟する、ということになりますならば、それは、当然に、EU内部で不協和音を奏でることになるでしょう。
     


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