国会の審議と採決について(鶴見大学)


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Posted by 倉西先生 on 2007/06/02 09:11:34:

    質問
    1.今国会では、多数決でかなり重要な法案が可決されましたが、これを防ぐ手段としてはどのようなものがあるのでしょうか?
    2.また、もっと時間をかけて審議をすることはできなかったのでしょうか?

    回答
    1.国会とは、国民の中から民主的な手続きを経て選出された議員によって構成されています。そうして、日本国憲法の第56条は、国会での議事の採決は、出席議員の過半数で決すること、つまり、多数決という手段を用いることを定めているのです。これは、国民の政治的選択が国会議員選挙を通して国会における与党を形成し、国会の場での採決を左右することを意味しています。このため、もし、多数決という手段を否定する、ということになりますと、民主主義の原則を揺るがすことになりますし、また、憲法違反にもなってしまうのです。
    2.もっとも、多数決には、本来、”審議を尽くした上で”という条件が付くものです。おそらく、質問の意図は、与野党間の真剣な討論や議論の応酬もなく、あっけなく採決が行われてしまうことに対する懸念であったのかもしれません。ただし、国会の様子を見てみますと、審議不足の原因は、政策論争よりもひたすらネガティヴ・キャンペーンに終始してしまう野党側にもあるようです。


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