政府間主義と超国家主義(杏林大学)


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Posted by 倉西先生 on 2007/06/11 17:50:29:

    質問
     政府間主義と超国家主義のそれぞれについて、詳しい説明をしてください。

    回答
     政府間主義とは、国益を背負った加盟国政府の代表が国際機関に出席をして、ある共通課題について、政府間交渉や合意を行うような場合に用いられる用語です。つまり、一般の国際機関と同様の特徴であり、EUでは、理事会が、政府間主義的な機関と言われています。
     もう一方の超国家主義とは、あまり使われない言葉なのですが、EU研究にあっては、加盟国の国益ではなく、欧州全体の利益を代表する行政機関について用いられています。もともとは、”国家を超える”、つまり、国家の上部にある、あるいは、国家の枠組みを超えた組織、という意味合いがありましたが、現在では、条約にこの用語は見えません。EUでは、委員会といった独立性の強い行政機関を表現する場合に、しばしば使われることがあります。
     欧州統合の理論史においては、60年代から今日に至るまで、超国家主義者と政府間主義者との間に激しい論争が続いてきました。この論争は、EUあるいはECは、はたして一般的な国際機関なのか、それとも、国際機関の範疇を超えた新たな政治体なのか、という、欧州統合の本質をめぐるものでした。


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