関税同盟のメリット・デメリット(杏林大学)


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Posted by 倉西先生 on 2010/11/08 21:15:25:

    質問
     関税同盟のメリットやデメリットは、何になるのですか?

    回答
     ヴァイナーの研究によりますと、関税同盟には、貿易創出効果と貿易転換効果があるとされており、前者の貿易創出効果は、関税同盟のメリットですが、後者の貿易転換効果は、必ずしも加盟国すべてに恩恵をもたらさないことを説明しています。たとえば、以下のような事例です。A国とB国が関税同盟を結成し、ある製品に対して共通関税を10%に設定しました。この場合、A国では、同盟結成以前には、同製品をC国から5%関税で輸入してきましたが、共通関税を設定しますと、10%の関税がかかるため、C国の輸入品は、B国の製品より割高になります。このため、B国から製品を輸入するようになりますが、この貿易先の転換は、B国にとりましては輸出が増えますのでプラスですが、A国にとりましては、輸入品価格が上昇することになりますので、マイナスです(貿易転換効果)。さらに第三国となるC国に注目しますと、A国という輸出先を失いますので、やはりマイナスです。関税同盟は、関税率の設定によっては、デメリットもあるのです。


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