民主主義と計画経済（聖学院大学）

質問
　現在、資本主義経済の国々では、格差が深刻となっており、理論上計画経済であるならば、格差は存在しないはずです。そこで、民主主義的な政治を採用しながら、計画経済を取り入れている国はありますか？また、ない場合、実現する可能性はありますか？そして、その国は、成功しますか？

回答
　理論上は、確かに、計画経済では格差がないのですが、現実には、市場経済以上に著しい格差が存在しているのです。例えば、ソ連邦では、ノーメンクラツーラと呼ばれた共産党の国権階級があり、この階級に属している人々は、一般の国民とはかけ離れた贅沢な生活を送っていました。つまり、計画経済の実態とは、極一部の富裕層と、圧倒的な多数の貧しい国民を生み出したのです。こうした側面を考慮しますと、民主主義的な政治と計画経済とが、両立することは極めて困難なことであり、実際に、こうした国は存在していません。また、存在したとしても、国民に対して経済的な自由が保障されていない体制では、経済が発展することもありませんので（競争もないので経済が停滞…）、成功する見込みは低いのではないかと予測されます。

このメッセージに返事を書く