統治と政治の区別（鶴見大学）

質問
　統治と政治を呼び分ける理由は何ですか？

回答
　政治とは、統治の一部である、ということを明確にするためです。政治とは、国家の政府が自らの戦略を決定したり（集団的な戦略の決定）、財政の使途や負担についての合意を形成したり（内部調整）することによって、国家を運営することです。この場合、民主主義とは、国民がその決定機関を選択したり、政策形成過程に関与することを意味します。一方、こうした政治の領域の他に、たとえ民主主義国家であったとしても、政治的な権力から独立しいなくてはならない領域もあります。それは、講義では秩序維持として表現した独立的な行政と司法が司る個々人の関係を共通ルールで律することです。後者の機能をも”政治”と呼んでしまいますと、中立・公正であるべき行政・司法の領域にも政治力学が働いてしまう可能性があります。そこで、本講義では、統治と政治を使い分けているのです（本ホームページの統治学入門を参照！）。

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