越権と内乱(鶴見大学)


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Posted by 倉西先生 on 2007/06/23 11:08:31:

    質問
     国王と議会のそれぞれの権限の範囲が法で定められているにもかかわらず、どちらかが、自らの権限を越えた行為を行ったり、あるいは、議会議員の一部が議会権限を越えるようなことを行ったような例はあるのですか?

    回答
     17世紀にイギリスで発生しました清教徒革命(1642〜49年)、クロムウェルによる共和制成立、名誉革命(1688年)と続く一連の内乱は、まさに、その典型的な事例となります。清教徒革命は、スチュワート朝のチャールズ1世が、これまで認められていた議会権限を無視して、王権神授説に基づいて、絶対王政化を図ろうとしたことから発生しました。また、クロムウェルの共和制も、クロムウェル自身が権力の集権化を行い、独裁化することによって反発を招き、終焉します。そうして、名誉革命は、王政復古を果たしたチャールズ2世が、再び議会を軽んじた政治を行おうとしたことが発端となりました。このことは、統治上の権限配分の原則が崩れるような事態が起こりますと、国家は、内乱に陥る可能性が高くなることを示唆しています(歴史の教訓!)。


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