CFSPの決定手続きについて(杏林大学)


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Posted by 倉西先生 on 2007/06/25 18:15:22:

    質問
    1.CFSPの分野で、理事会の採決に”建設的棄権”を取り入れているのは、加盟国の相次ぐ脱退からWWUを防ぐことができなかった国際連盟の全会一致の原則を教訓としているからなのでしょうか?
    2.イラク問題におけるEUの対応を教えてください。

    回答
    1.おそらく、国際連盟の教訓が直接に反映されたのではないかもしれません(国際連盟では、理事会でも総会でも全会一致が原則でしたので、この原則通りであれば、1933年の臨時総会で提出された日本軍の満州からの撤退勧告は、日本国一国の反対で廃案になるはずなのですが、42対1で可決されていますので・・・)。と言いますよりも、全会一致の原則を採用しますと、決議が採択される可能性が著しく低下してしまうことを恐れたのではないか、と思われます。つまり、棄権国を容認しつつ、EUとしての政策を実施できる可能性を大きく広げたことになります。
    2.イラク問題に際しましては、EUは、EUのCFSPの枠組みの中で政策を追求することができませんでした。アメリカと友好関係にあるイギリスをはじめ、オランダやポーランドなどの諸国は、アメリカの政策に賛成しました。一方、フランス、ドイツ、ベルギーといった諸国は、イラク攻撃に対して反対を表明することになったのです。


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