旧ソ連の政治体制（鶴見大学）

質問
　旧ソ連の政治体制について、詳しく教えてください。

回答
　旧ソ連邦は、マルクス・レーニン主義の下で、共産党一党独裁体制を敷いておりました。共産主義思想は、プロレタリアート独裁を目指し、暴力革命をも肯定したのですが、マルクスも、レーニンも、その後の国家体制については、詳しくは語っておりません。何故ならば、”国家は消滅する”と考えたからです（レーニンにとっては、国家の役割は、反革命分子の抑圧と排除…）。このため、プロレタリア革命で成立したソ連邦は、確固とした国家の仕組みについての設計図を持たず、ひとまずは、ソ連邦という国家の枠組みを維持しながら（国家を消滅させたわけではない…）、共産党が、国家の上部に位置し、国家を指導する役割を担うことになったのです。このため、人民民主主義を唱えながら、選挙制度は機能しておらず、政権のトップは、党内の権力闘争によって決まりました。また、体制を維持するために、共産主義に反対する国民も弾圧を受け、ベリアには、強制収容所が設置され、政治犯は、この収容所に収監されるか、あるいは、処刑される運命が待ち受けていたのです。秘密警察や密告制度が張り巡らされていたことも、ソ連邦の体制の特徴でもあります。わずかながらも、国民には年金の支給はありましたが、ソ連邦の政治体制とは、暗く、陰鬱であり、そして、残酷でもあったのです…。

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