法は平等？（鶴見大学）

質問
　少年法においては、未成年者は、刑事上の罪に問われませんし、犯罪者が、精神に疾患がある場合もまた、責任能力がないとして免責されます。こうした規定は、法の平等とどのような関係があるのでしょうか？

回答
　法の前の平等は、社会において責任を負える者の間での平等を原則としており、責任を負えない者の行為については、刑罰を免除しているのです。しかしながら、先生も、やはり、この免責措置は悪用される場合がありますので、被害者のためのセーフティーネットは、必要であると思います。たとえば、未成年者の犯罪の場合には、保護者をも含めた民事上の賠償責任を重く課すことなどが、考えられます。また、心神喪失や心神耕弱の場合にも、これを、極力狭くとるほうが適切であると思います。もとより、殺人といった犯罪を行う人は、正常な精神状態にあるとは思えないわけですので、これを広くとりますと、すべての犯罪者が精神的な欠陥を理由に無罪となってしまいます。極悪な犯人が、裁判の過程で、精神鑑定を求めるケースは多々ありますし、しかも、猟奇的で残酷な事件の犯人ほど、これを理由に無罪となる確率が高くなるのは、どう考えましてもおかしいのです。基本的には、社会において生活を営んでいる以上、その責任は、厳しく問うべきと思われるのです。

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