イギリスのEC加盟について(杏林大学)


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Posted by 倉西先生 on 2007/04/23 18:53:02:

    質問
    1.イギリスは、何故、EECに対抗しようとしたのですか?
    2.フランスは、イギリスの第一回目の加盟申請に対してアメリカの影響を怖れて反対しましたが、米仏協調路線は考えられなかったのですか?
    3.フランスの反対の理由は、具体的にはどのようなものなのでしょうか?イギリスとアメリカに特別の関係があるからなのでしょうか?
    4.フランスは、何故、70年代になってイギリスの加盟を認めたのでしょうか?

    回答
    1.第二次世界大戦後の1946年に、イギリスの元首相チャーチルは、いち早く”ヨーロッパ合衆国”の構想を打ち出し、ヨーロッパ統合に積極的である姿勢をアピールしました。しかしながら、実際に、この構想の具体化がフランスをはじめとしたヨーロッパ諸国の間で検討されるますと、その”超国家性”に対してイギリスは、一定の距離を置くようになったのです。そこで、EFTAを結成することになるのですが、この協定にあってイギリスは、英連邦から安い穀物が輸入できたこともその一因として指摘されています。
    2.両国とも戦勝国でありながら、フランスとアメリカの立場は戦時中から大きく違っていました。フランスは、自国の開放が、アメリカを中心とする連合国軍の手によっったため、むしろ、戦後は、国際社会において独自の立場を築くことに心血を注ぐことになるのです。このフランスの威信復活への強い願望は、アメリカとの関係を微妙なものとし、時にして、反目をもたらすこともあったのです。
    3.フランスのド・ゴール大統領が、イギリスの加盟に反対した理由は、主として、アメリカの影響が増すと、ヨーロッパが独自の立場を築くことの阻害要因となると判断したことによります。もちろん、その背景には、アングロサクソンの絆といわれるイギリスとアメリカとの特別な関係があります。
    4.1969年に、ド・ゴール大統領は退陣します。このことは、イギリス加盟の障害がなくなることを意味しました。


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