Posted by 倉西先生 on 2007/04/24 15:47:36:
市場統合は、FTAとどのような点で異なるのでしょうか? 回答 質問に述べられているFTAは、おそらく自由貿易圏(Free Trade Area)のことと思われますが、自由貿易協定(Free Trade Agreement)であったとしても大差はありませんので、ここでは、自由貿易圏と市場統合の違いについて説明します。 自由貿易圏とは、協定を結んだ国々が相互に、関税を撤廃したり、関税率を引き下げたり、あるいは数量制限をなくしたりすることによって、国境を越えた物の移動を自由化し、一つの自由な貿易圏をつくることです。この経済圏は、自由貿易主義の論理によって支えられています。 その一方で、市場統合は、物の移動(貿易)のみを自由化するわけではありません。物の他に、あたかも国内市場のごとく、資本、サービス、労働力といった生産要素をも、自由に移動させることを目指しているのです。このため、市場統合を行うためには、関税障壁のみならず、様々な分野における非関税障壁の撤廃も必要になります。市場統合では、自由貿易主義ではなく、むしろ国内市場の論理、つまり、自由主義経済の論理が働いているのです。 以上に述べましたように、自由貿易圏と市場統合では、質的な相違を見出だすことができます。そうして、実際の通商協定は、自由貿易協定に投資協定を組み入れるなど、両者の中間的な性格のものが多いのです。
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