社会主義国家について（鶴見大学）

質問
１．北朝鮮や中国の他にも社会主義国家はあるのでしょうか？
２．なぜ、すべての国家が、民主主義国家にならないのですか？
３．社会主義国家は、これからも成り立って行くのでしょうか？

回答
１．南米のキューバやベトナムなどが、社会主義国家として存在しています。もっとも、明示的に社会主義国家を名乗らなくとも、ベネズエラのように公営化政策を進めるなど、社会主義的手法を用いている国もあります。
２．国家の民主化を阻害する要因は、政府と国民の両者にあります。まず、政府側にある要因としては、体制維持をはかるためには民主化運動を弾圧する方針を貫いていることです。これは、構造的な場合が多く、政府への権力と武力の集中、党などの政権支持層への特権付与、教育制度を通したイデオロギーの徹底、反政府派の摘発制度などを特徴としています。国民の側の要因は、民主主義の自由といった価値に対する無理解、従属的で依存性の高い国民性、無気力の蔓延などを挙げることができます。
３．経済システムとしての社会主義が崩壊することは、中国が改革開放路線に向かったように、それ程には難しいことではありません。はるかに困難な作業となるのは、政治的な民主化です。たとえ国民の側が民主主義や自由の価値を理解し、政治の民主化を望んだとしても、政府の側の要因に変化がなければ弾圧されてしまうからです。しかしながら、何らかのきっかけで、事態は、急激に変化をするかもしれません。すべての諸国が民主化されることによって、国際社会は、より安定した秩序形成への第一歩を踏み出すことでしょう。

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