金融通貨統合のデメリット（杏林大学）

質問
　金融通貨統合のデメリットを教えてください。

回答
１．ひとたび金融通貨統合を行いますと、ECBが、金融政策を一元的に決定しますので、加盟国中央銀行は、自国経済状況を考慮した金融政策をもはや実施することができなくなります。
２．企業にとっては、ユーロ圏全域にわかって、”同一製品同価格”を維持しなければならなくなります。単に通貨で価格表示しますので、価格差が歴然となりますと、消費者による消費地の選択が起きてしまうからです。
３．可能性としては、ECBが、インフレ容認に向かうなど、物価の安定に失敗しますと、すべてのユーロ導入国が、経済の不安定化にさらされることになります（少なくとも現在までは、このようなことはありませんが・・・）。
４．短期的には、ユーロ導入に伴って、これまで自国通貨用に作られてきた製品をすべてユーロ用に取り換えるというコストがかかかります。一方、この側面は、新たなユーロ用製品の需要の増加ともとれますので、むしろ、景気には好影響を与えたと言えるかもしれません。

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