「ねじれ国会」について(鶴見大学)


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Posted by 倉西先生 on 2008/05/16 21:13:36:

    質問
     政治学の先生として、今の国会の「ねじれ国会」についてどう思いますか?

    回答
     この問題は、根本的には、国会の制度設計の不備から生じているのではないか、と思うのです。以下に、先生が去年の10月31日に書いたブログの記事を載せますので、参考になさってください。

    「・・・この”ねじれ”は、三重の”ねじれ”の複合体です。

     第1の”ねじれ”は、首相選出の権限は衆議院に優位を認める一方で、一般の法案については三分の二条項を設けて参議院の優位を認めていることです。つまり、この”ねじれ”は、議院内閣制にもかかわらず、政府と議会とに不一致が生じる要因となります。

     第2の”ねじれ”は、衆議院と参議院との間にあります。両院制を採用している限り、今回の選挙で明らかになったように、両議院における第一党が異なる場合もありうるのです。

     第3の”ねじれ”は、政党間の”ねじれ”として表現できます。これは、各政党ともに、左派と右派がおり、法案に対して常に挙党体制を形成できないことです。

     この三重の”ねじれ”の結果、現在の日本政治は機能不全に陥っています。憲法改正については、第9条のみが注目されますが、この機能不全を解消するためには、制度改革を行わなくてはなりません。すなわち、憲法改正なくして制度的な問題を解決することはできないのです。」

     


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