王権とナチズム(鶴見大学)


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Posted by 倉西先生 on 2008/05/30 21:11:00:

    質問
     ナチズムとは、略奪経済であったそうですが、昔の王権とは、どこが違うのですか?

    回答
     封建時代の王とは、家臣に対して絶対的な権力を持つわけではなく、相互の権利・義務関係は封建契約によって明らかにされていました。特に、イギリスの王は、『マグナ・カルタ』により、臣民(国民)に対して自由と権利を認めたことにおいて、立憲主義の先駆けとなりました(制限王制)。経済政策にしても、王が直接に経済に関与するのではなく、チャーターと呼ばれた特権を承認に付与したり、特別税金を課すことによって、収入を増やしたに過ぎませんでした。
     その一方で、フランスの絶対王制期における王は、イギリス国王よりも、はるかに強い権限を持っていました。それでも、高等法院のような司法機関が、王権を抑える役割を果たしていました。もちろん、重商主義を追求することはありましたが、基本的には、国王が、経済を統制していたわけではありませんでした(むしろ、民間のギルドが問題・・・)。
     これらの王権と比較しますと、ナチズムの方が、格段に国民に対して強圧的であり、企業に対しても統制的であったように思います。現代国家の方が組織力が強く、かつ、文明の利器を用いることができますので、ひとたび、ナチズム体制が確立しますと、それは、機械のように経済を飲み込んでいったのです。


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