結論


 
このコースでは、これまでの政治学の基本を押さえつつ、統治や政治について考え、判断するに際しての基盤を提供してきたつもりです。そうして、国民国家体系にあっても、今日、統治の地平線が遥か遠くまで広がり、可能性が広く開かれていることも見てきました。しかしながら、この可能性に気付かずに過してしまいますと、私たちすべてに直接に関わる統治は、いつまでたってもその質を高めることはできず、諸価値を実現する方向には向かってゆきません。自由で民主的な国家であっても、いつの間にか諸価値が衝突して混乱をきたし、自らを守ってきた仕組みをも融解させてしまうかもしれないのです。
 独善に陥らず、一人ひとりが統治の役割の本質を自覚してこそ、世界中のあらゆる国々にあって、統治権力は、そこに生きる人々のために、その力を尽くすことになるのです。

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