人間の集団には、そこに生きる人々が安全かつ安定した生活を営むために、いくつかの統治の機能が必要であることがわかりました。この統治の舞台となる枠組みは、通常、”国家”と呼ばれています。それでは、この”国家”とは、他の集団とどのように違うのでしょうか。そうして、国家が国家であるための要件はあるのでしょうか。
国家間の関係が体系化されてきた今日においては、国家には、三つの成立要件があると言われています。近代以前にあっては、領域を持たない国家や、統治権力が分散しているような”封建国家”もありましたが、今日では、国民、領域、主権の三者が国家を成立させる要件とされています。つまり、国家には、複数の枠組みがあるのです。
第3章へ
第1章へ戻る