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夢 守 教 会
†† 第一話「少女のケニング」<あとがき>
あとがき
この小説は、2004年の12月24日に公開した、創作サークル「Language×Language」の第一弾の作品と呼べるものです。
公開した当時はよく「遺書のつもりで書いた」と公言していたと記憶していますが、ちょうど母親が倒れて生死の境を彷徨ってる時期でしたので(その後持ち直して現在はだいぶ回復しました)、僕自身が死ぬことについてかなり敏感な時期でした。
母親のように急に倒れて僕も死んでしまうかもしれない。だとしたら、その後に何も残っていないのは寂しいな。そんな想いから、僕が死んだ後もWEBの片隅に残っている小説を書いておこう。そう思い立って執筆したのがこの小説です。当時、経済的自立のための活動をはじめ諸々のやることがあったにも関わらず、最優先させて短い時間で一気に書き上げたのを記憶しています。
上記のような理由から、第一話と銘打っておきながら、この一話だけで完結しているとも読める中編小説になっております。それくらい、今読み返しても全てを注ぎ込んでるなという印象を自分で抱くのがこの第一話「少女のケニング」です。当時二十二歳だった僕自身を、少しだけ褒めてやりたい心境です。
このように、ただWEBの片隅に僕の気持ちが残っていればいい、そう思って書いた小説だったのですが、幸いなことに、遺書だなんて言わずに続きを読ませて欲しい、最後まで書いて欲しいというご意見を沢山頂きもしました。その後何作か中編、長編小説を書きましたが、公開後すぐに3桁を超える反応があったのはこの小説だけです。そういう意味では、対外的な面ではその後発表した少女小説よりも僕の本然に従っている小説なのかもしれません(その後発表した少女小説の方が賞歴などから判断すれば客観的評価は高いはずなのに、WEBを通じた読者からのダイレクトな反応はこの小説の方が圧倒的だというのも面白い現象です)。
さて、ようやく重い腰をあげて3年ぶりに第二話を執筆し、公開するにあたって、読み返して多少気になった点を加筆修正し、WEB小説らしく読みやすいように公開ページをより細かく分けて、今回この第一話「少女のケニング」を再公開させて頂きました。この3年間で新しく僕のホームページをお気に入りに入れてくれたという方も多いと思います。そんなはじめてこの小説を読んだという方、また、再び読んでみたけと当時と違う何かを感じたという方がいらっしゃいましたら、下記WEB拍手やメールフォームにて、是非是非感想をお送り下さい。返信は保証できませんが、全てに目を通させて頂きます。
続く二話から、ついに優希と理子の「この世でもっとも確かなもの」探しが本格的に始まります。第一話では可能性に委ねられて締められていたその「確かなもの」は、再びはじまった物語にて、やがて劇中で具体性と抽象性を織り交ぜて明かされることになります。全七話の小さい物語。引き続き、最後までお付き合い頂けたら幸いです。
2008.3.14. 相羽裕司
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