†Yes!プリキュア5GoGo!二次創作小説†


ドーナツ国王×りん【温泉は浪漫ドナ!】

「のぞみさん、温泉を掘りましょう!」
 夏木りんがナッツハウスでいつものように仲間達とティータイムを過ごしていた時のことである。
 うららの口から出されたこの提案に、いや、それはないだろうとりんは心の中でツッコミを入れる。
「うらら、それイイ!」
 うららのその言葉を聞いたのぞみが、共鳴するように声をあげてうららと手を合わせる。
「あーったかくて、ほんわりして。みんなで入ったら楽しいね!」
 目を輝かせて心の底からうららの提案に同意している様子ののぞみを見て、そろそろ自分の出番だなと、りんは思う。
「はいはい、ちょーっと、待った。うらら、『温泉に行きましょう』なら分かる。だけど『温泉を掘りましょう』って、あーた」
「ダメですかー?」
 うららは目をウルウルさせてりんの方を見つめてくる。いや、ダメとゆーか。
「うららさん。採掘権とか権利の問題があって、温泉は勝手には掘れないものなのよ」
「それに一介の女子中学生に簡単に温泉を掘る設備を整えられる訳ないでしょ。ボーリングはどうするのよ、ボーリングは」
 こまちさんと、ミルクもといくるみの二人がりんに加勢する形でツッコミを入れてくれる。これには正直助かると心の中で感謝する。
「ボーリング? なんで温泉にボーリング?」
 頭に白いピンが並んでいる某ゲームを思い浮かべているであろうのぞみを無視して、話を先に進める。
「で、なんで『行こう』じゃなくて『掘ろう』な訳?」
「だって私達……」
 悲劇のヒロインのようなジェスチャーでうららは一瞬間をタメると、
「お金が無いじゃないですか!」
 と、発声練習を積んだよく通る声で、大げさな身振りをしながら答えた。感心するほど無駄にいい声で、背景には星がキラキラと瞬いているかのようだ。
「なので、自分達で掘ったらただで入れるかなって」
 テヘ、と舌を出して、語尾にハートマークが付くような喋り方でうららは締めくくる。うーん、私、この娘のことが時々分からなくなるなとりんは思う。
「あのね」
 さて、気を取り直して解説するのが自分の役目だ。
「温泉を掘るのに一体いくららかかると思ってるの。土地を買って、権利を買って、設備を買って。あー、よくは私も分からないけど、普通に温泉がある旅館なんかに行くより全然お金がかかるでしょ!」
「ですよねー」
 りんの解説にうららは悪びれずに笑顔を返してくる。こ、この娘は!
 一瞬バチバチと二人の間に火花のようなものが飛び散ったのが確認される。
 しかしそこに寛大な声が仲裁に入る。
「りんよ、そう気を悪くするでないドナ。元々はりんが疲れているという話から始まったドナ。うららなりの思いやりドナ」
 テーブルの上で現界していたドーナツ国王だ。さすが一国の王だけあって言葉に包容力がある。態度も寛大だ。
「そうだよ、りん。まあ、掘るのは無理でも、温泉はいいアイデアかもしれない」
 ナッツと並んでソファに座っていたココも王様に同調するような意見を述べる。
 ふう、とりんは溜息をつく。
 そうだった。もとはと言えば、自分が何気なく話した、「最近お風呂でウトウトしちゃう」というお話から、りんは頑張り過ぎて疲れているんだという話になったのだった。
「ホント、頑張り過ぎなんだよ、あんたは」
 壁にもたれかかっていたシロップも話を元に戻すような発言をする。
 まあ、確かに、家の手伝いにフットサル部、プリキュアにアクセサリデザインと、自分は色々やり過ぎているかなとは思う。温泉で一息というのは、確かにそう悪い話ではないという気もしないでもない。
「確かにありがたいですけど、そうなるとやっぱり問題はお金ですね。掘るのは論外として、みんなで温泉に行くお金は、ちょっと無いですよね?」
「ナッツ!今月のナッツハウスの売り上げは!」
 のぞみが、普通なら聞きにくいようなことをナッツにストレートに聞く。いや、のぞみ、その辺りは自重、自重。
「残念ながら、全員で温泉に行けるほどの売り上げはあがっていない。三人で生活していくだけで精一杯だ」
 そんな不躾なのぞみの問いにナッツは淡々と答える。ちなみに、りんもへー、そうなんだと思った。でもまあ、異世界で自営業をやって三人分の生活費を稼いでいるのは凄いと言えると思う。自営の大変さは、家が花屋なのでりんにも分かる。
「そうなんだー、ナッツハウスそんなに儲かってないんだー」
「ちょっと、のぞみ!」
 のぞみの悪気は無いであろう感想に、ココとナッツのことになると過敏になるくるみが反応する。
「まあまあ」
 ことが険悪になる前にココが仲裁に入る。
「僕の教師の仕事の給料と、ナッツハウスの売り上げで、なんとか生活していけてるって感じなんだ。僕も温泉はいいと思うけど、ちょっとこの人数では無理かなぁ」
「俺のこともアテにするなよ。個人自由業は結構シビアなんだ」
 ココとシロップ、それぞれの言。
 やっぱり温泉は無しになりそうだ。ま、話しているうちにちょっといいかなとりんも思ってきていたけれど、お金が無いのではしょうがない。
 そうか、今回は無しでこの話題は終わりだな。どことなくみんなにそんな雰囲気が流れはじめた頃、その人の声が響き渡った。

「行けるわよ、温泉」

 は?
 一瞬沈黙する一同。
 その視線の先には、それまで黙って話の成り行きを見守っていたその人。水無月かれん様のお姿が。
 優雅に紅茶を一すすりしての、かれんさんの言。
「うちで経営している旅館の一つに、温泉付のものがあります。そこでよければ、このメンバーでいけるわよ?」
 ちょ、ちょ……と、どうリアクションを取ろうか迷っているりんの背後で、くるくるとダンスを踊るように手を取り合って回りはじめるのぞみとうらら。
「みんなで温泉に行こう、けってーい!」
 直後、のぞみのそんな声がナッツハウスに響きわたったのは、言うまでもないのであった。

  ◇

 という訳で、温泉に入ってます。
 あー、極楽、などと、自分でも年寄りくさいと思う感想をりんは抱いたが、事実極楽な気分であった。
 かれんさんの家で経営しているというこの温泉旅館は電車で二時間ほどの郊外にあって、簡素で清潔な概観をしていた。
 大旅館ってほどではないけど四階建ての中堅クラスの大きさで、露天風呂を併設している。シーズンになると満室になるとかれんさんは言っていたが、幸い今はシーズンオフである。ポツポツとりん達以外のお客さんをフロアや廊下では散見しても、夕食前という今の時間でも温泉に入っているのはりん達だけといった程度の混み具合だった。空いていて、非常に快適である。いつかのリゾートの時といい、水無月家に甘えっぱなしでいいのかな、これ。
「のぞみさん! この備え付けのイカ墨シャンプー凄いです! 黒い泡が立ちます! なんか、身体の毒素が軒並み抜かれていくようです!」
「え、本当? やるやる、私も使ってみる!」
 のぞみとうららは並んで髪を洗っている。二人とも、ほどくと随分髪が長いんだななどと、こういう場でしか得られない新しい発見がある。ショートのりんには分からないことだが、あの髪を毎回洗うのは中々大変そうだ。
「ちょ、かれん、なんでそんなに私に触りたがるのよ、一人で洗えるってば」
「くるみこそ、なんでそんなに恥ずかしがるのよ。ほらほら、私にまかせて」
「くるみさん、こういうの、お医者さんごっこって言うのよ」
「エ? それってかれんがお医者様を目指しているのと関係あるの?」
「そうよ、だからほら」
「あ……ちょっと、かれん、そこダメぇ……」
 あっちはあっちで大変なことになってる。洗いっこて。そしてかれんさんキャラ変わってるし。こまちさんナチュラルに嘘ついてるし。くるみも騙されてるし。
「ふー」
 そんな風景もアリかなと、大きく息を吐いて再び極楽の湯に身を任せるりん。足が伸ばせるお風呂って、どうしてこんなにゆったりするんだろうなんて思う。
 と、そこでりんの表情が唐突に変わる。

――この気配。

「みんな、何かいるわ!」

  ◇

《数分前》

  ◇

 キャピキャピとしたのぞみ達の声が、隣接する女湯から響いてくる。
「しかし何だな、なんで女ってのは騒がしく風呂に入るのかな」
 誰に向けてということもなく、シロップが呟く。
「はは、いいじゃないか。僕たちもやろうか、洗いっこ」
「バカ、気持ち悪いっつーの」
 律儀に答えてくれたココに対して、シロップは辛辣な態度で返す。
「だいたい、温泉じゃなけりゃオマエらと風呂になんか入らねーっつーの」
「はは、僕とナッツは一緒に入ってたけどね。まあ、子どもの時だけど」
「パルミエ王宮の風呂も、結構広かったからな」
 男湯は位置的に、のぞみ達が戯れている女湯に隣接している。身体を洗いながら会話しているのは、シロップ、ココ、ナッツ、そして……
「ドナ、ドーナッ、ドナー」
 ドナドナと呟きながら乾布摩擦の要領でワシワシと背中を洗っているドーナツ国王である。シャンプー置き場に仁王立ち。全体としてサイズが小さいゆえに、身体を洗う石けんの量も少量だ。

「のぞみさーん、かゆい所ありませんかー」
「うわ、うわわ、すごい、すごい泡だねこの石けん」

 風向きの関係もあるのだろうか、男湯には、やけに女湯の会話が聞こえてくる。
「はは、本当に楽しそうだね……」

「……」

 沈黙する三人。
「ドナドナ、ドッナー、ドナ」
 国王のドナドナだけが男湯に響いている。
 しかし、そんな沈黙を静かなナッツの声が破る。
「ココ、おまえまさか……」
 ごくりと喉を鳴らしたのは、シロップだったか、ココだったか。
「見たいなんて思ってる訳じゃないよな?」
「え、そ、それは女湯をってこと? はは、まさか、そんな訳ないだろ」
 何故かどもる。
「僕は教師だからね。教え子のお風呂を覗いたりしたら、それは犯罪だろう」
「ま、まあ教師じゃなくても犯罪だけどな」
 シロップもツッコミを入れるが、なにやらキレが悪い。
「そうか、それならいいが。もしや、教師としてではなく、おまえ個人としてのぞみの裸ムグゥ」
 ココがナッツの口を手でふさいで言葉を遮る。
「まさかね、あははははは」
「ドナー、ドナー、ドドドナー」
 引き続き王様のドナドナが男湯には響いている。
「そういうナッツの方がおかしいな。もしかして、見たいのはむしろナッツの方なんじゃないか?」
「俺のは、純粋な興味だ」
「ええ!? 否定はしないのか」
「少なからず興味を持つのは男として自然だろう」
「あ、ああ。まあそうだね。純粋な興味ね。だ、だったら、シロップはどうだい。僕たちは大人だけど、シロップくらいの年頃は異性に興味を持つだろう?」
「そ、そこで俺にふるなよ」

「……」

 再び訪れる沈黙。
 ドナ、ドナドナ、ドーナ。
「ま、まあ無意味な話だよ。壁をよじ登って女湯を覗くなんて無理だし。登り切った所でタライをぶつけられてチャンチャンなんてベタなオチは今時流行らないしね」
「まあ、小さくなって行けばどこからでも忍び込めるけどな」
 シロップの言葉に場の空気が張りつめる。
「い、いや、俺は覗こうと言ってる訳じゃないぞ?」
 ドーナ、ドナドナ、ドナー、ド……。
 シロップ、ココ、ナッツが本日何度目かの視線を合わせた時、目をつぶってドナドナを口ずさんでいたドーナツ国王が、ごく自然にドナドナを口ずさむのを止めた。
 その合図に、三人の視線が国王に集中する。
 数旬の沈黙の後、ドーナツ国王はカっと目を見開くとこう宣言した。

「女湯を覗きに行くドナ!」

 エエッ!と、驚愕するナッツの瞳と、呆と開かれたココの口と、タオルを落としたシロップの手は同時だった。

「魅力的な女性の裸がそこにあるのなら、覗かない方がむしろ失礼ドナッ!」

 この方は/この方は/コイツは/……。
 その王のあり方に、ココナッツシロップは憧れた。

  ◇

《現在》

  ◇

 りんがあげた高い声に、キョトンとした表情でのぞみとうららが振り返る。
「りんちゃん?」
「りんさん?」
「シ……、静かに……」
 人差し指を鼻にあててのぞみ達を制する。かれんやこまち、くるみ達もなんだろうとこちらに視線を向けてくる。
 時間にして0・5秒から1秒。感覚をとぎ澄ませてその気配のありかを察知したりんは、タオルを一閃する。
「そこだぁ!」
 帯状に閃くタオルが露天風呂の岩影をハシリと叩く。
「ココッ!」
 何かを打ちつけた確かな手応えと、どこかで聞いたような声。
「ドナ! やばいドナ! シロップ、緊急プランDの3ドナ!」
「ロプ!」
 ドナ? いや、っていうか今もろにシロップて。
 その時、突如巨大な体積が露天風呂の中に現れた。その体積に押し出されて津波のように舞い上がるお湯。一面が、お湯、お湯、お湯である。

 後にうららは語る。
「その時、露天風呂の中に何か巨大な鳥っぽいものが現れたんです。舞い上がったお湯でよく見えなかったんですけど。でも、『ロプ』って言ってました。そして、一瞬でその大きい鳥っぽいものはまた消えてしまったんです!」

 いや、「ロプ」で分かるって!
 何かにツッコミを入れながら、りんは露天風呂から飛び出して裸のままでその気配達を追いかける。
 既に事態を把握しつつあったりんは、六人の中で誰よりも素早かった。舞い上がったお湯の目くらましにも関わらず、その気配達の行き先を察知していた。
 脱衣所の方に向かった!
「緊急プランDの5で足止めするドナ! そのうちに逃げるドナ!」
 脱衣所へと続く扉の影から聞こえてくるドナドナした声。
 王様ー。証拠が残らなければしらばっくれられるとか思ってるかもしれませんけど、甘いですよ?
「ドナドナドナドナドナ……」
 ガラス張りの扉越しに聞こえてくるドナドナした詠唱。やばい、まさかこれは?
「ドナ――ッッッツ」
 まばゆい光が露天風呂をほとばしる。
 これは王様の得意技……。パルミエ王国の時に使ってたヤツ! こんな所で使うなんてなんて無駄使い!
 しかし効果はてきめんだった。さすがのりんも、その光の量に、しばらく目を開けていられず、動きを封じられてしまった。
 その時間、十秒から二十秒。いかに小さい体とはいえ、逃げ切るには十分な時間だ。
 あちゃー。王様だけでも捕まえればしらはきり通せまいと思ったけれど、失敗してしまったか。
 まったく、王様×3+1が覗きだなんて……。
 ふうと溜息をついて念のために扉を開けて見る。
 しかしなんということだろう、そこに現れたのは、正面に堂々と仁王立ちしたドーナツ国王だった!!
「な、なんで? 十分逃げ切れたのに?」
 フ……とドーナツ国王は小さい微笑みを見せる。その微笑みは慈愛に満ちている。
 穏やかな表情のまま、ゆっくりとその高貴な口が開かれる。
 そこから出てきた言葉は……。
「力を使い過ぎて、もう動けないドナ……」
 あー、そうですか。

  ◇

「見事だ、りん」
 ドーナツ国王が語りはじめる。
「いや、私が見事っていうか、王様の凡ミスだと思いますけど?」
「違うのだ、りん。そなたの美しい肢体のことを言っておるのだ」
 エ? そこでようやくりんは自分が裸のまま王様と向かい合っているのに気が付いて頬を赤らめる。あわてて両腕で胸を隠すように覆う。
「隠さずともよい。運動で鍛えたしなやかな肢体。実に見事じゃ」
 い、いや、やっぱり恥ずかしいですよ。あと、肢体とかゆーな。
「よし、決めた。りん、よと結婚しよう」
 は?
「えーと……」
「うむ、后になってくれ」
 その言葉で、一瞬りんの思考がトリップする。
 王様の奥さんということは女王様ってことであって、つまりはクイーン、クイーン? 私がクイーン?
 あ、それはなんかいいかも。メルヘンなホワホワとした空想がしばらく脳裏を過ぎる。
 そして訪れる、冷静な疑問。
「あれ? でも王様。ドーナツ王国に奥さんは?」
「む? うむ。王国には妻が待っておるが?」
 そのドーナツ国王の言葉を聞いたりんは、両手で王様をちょっと持ち上げると、しばらく何かを確認するようにして、再び脱衣所の床に置いた。その仕草は、サッカー選手がフリーキックを蹴る前にボールの位置を確認する仕草に似ていた。
 ボール程度の大きさの王様と、裸のりんが向かい合う。
「それじゃ重婚でしょうがっッ!」
 その日、ある郊外の温泉旅館脱衣所にて、りんのフットサルキックがドーナツ国王に炸裂した。

  ◇

《エピローグ》

  ◇

「そんなに、そーんなにココは私の裸が見たかったの?」
「すいません。そういうお仕事で売り出す路線もあるんですけど、私、まだ正当派を目指したいんです」
「まあ、男の人って本能を抑制するのが大変らしいし」
「私はちょっと見損なったわ」
「嘆かわしや……パルミエ王国の国王たるお二人が覗きだなどと……」
 3人と王様が泊まる予定になっていた旅館の男部屋にて、女子六人が押しかけてお説教モードである。
 ドーナツ国王が捕まったので、当然証拠確保で、ココとナッツ、シロップも御用である。面目ないとばかりに頭をうなだれて六人のお説教を聞いている。もともと、彼らも覗きなどを行う品性を持った面々ではない。今回のことは、何かが、彼らの歯車を狂わせて悪ノリに導いてしまったのだ。今は、その行きすぎた悪ノリを心から反省している様子を見せている。
 そんな中、堂々と胸を張ってのぞみ達の言葉を聞いているのはドーナツ国王だ。その姿は威風堂々。ちょっとばかり身体に包帯を巻いているのが気になるが。
「うむ。あい分かった。確かに女子が一方的に裸を見られるというのはこれ不平等。そこは我らも筋を通さねばなるまい」
「ええ?」
「国王?」
「おい?」
 王様の発言に、ココとナッツ、シロップは狼狽する。
 狼狽はのぞみ達の方も一緒だ。
「え、えー? わ、私達、べ、別にココ達の裸見たくなんか!」
「うむ。今回の首謀者は何を隠そうこのワシじゃ。ココとナッツ、シロップはよに付いてきただけで責任はない。勘弁してやって欲しい。よって……」
 グっとポーズを取る王様。
「よが全ての責任を取ろう。飽きるまで、よの裸を観賞するがよい!」
 どうじゃ? という感じで色々なポーズを取るドーナツ国王。
「あはは」
「うふふ」
「りんさん」
「りん」
「いいわよ」
 五人の視線がりんにそそがれる。
 やれやれ、しょうがないなと手を振りかざして、りんは自分の役割を受け入れる。まあ、色々やっててたまに疲れちゃうとか確かにあるんだけど、実はこれが結構ストレス解消になってたりするのかも。
 炸裂する手刀は、もはや伝家の宝刀である。
「王様は……」
 今日もりんのツッコミが冴えわたる。
「ずーっと裸でしょうがっッツ!」
 そんなこんなで、プリキュアメンバー達の温泉旅行の夜はりんのツッコミと共に暮れていったのだった。

     (おしまい)
      2008.6.2 presented by Yuji Aiba.



◆◆馬の助さんが、イラストを描いてくれました。ドキドキ!プリキュア三人娘温泉に入る!なイラストはこちらをクリックでどうぞ



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