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夢 守 教 会
†† 第三話「輝きの先」5/(3)
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T大学は町の中と言うよりはむしろ郊外に近い位置にある大規模な総合大学だ。
普通に移動するならば市内バスを利用した方が早く着くという場所だが、何故だかこの町から郊外に抜けるまでの風景を見ながら歩きたいと思った私は、小一時間徒歩で移動することにした。満月が上る頃という時間の指定にも、そのくらいの移動時間があった方が丁度いいようにも思われた。
帰路へと向かう人々に逆行するように、私は「この世でもっとも確かなもの」が眠っているという大学が位置する郊外へ向けて歩き始めた。
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