疳の虫とは...
お子さんが成長していく上で心と身体のバランスが崩れてしまい、それを自分でコントロールできない
ためにおこる様々な症状を「疳の虫」といいます。その主な症状としては、夜泣き、夜寝ない、キーキー声
をあげる、噛みつく、乳吐き、食欲がない、便秘、下痢、よく泣く、などがあります。
お母さんは、「うちの子どうしちゃったのかしら?」と、悩んでしまうかも知れませんが、これらは赤ちゃん
の情緒的な部分が成長している証拠でもあるのです。
夜泣きとは...
上記の「疳の虫」の症状のひとつで、眠っていた赤ちゃんが特別な理由もなく泣き出してしまうことを言
います。
夜起きて泣くといっても @お腹が空いていたり、Aのどが渇いていたり、Bおむつが濡れて気持ちが悪
い、C熱い寒い、D寝苦しい、などはっきりと原因があって眠れないのは「疳の虫」による夜泣きとは違い
その原因を取り除いてあげることで解決できます。
上記の様な理由が特に見当たらないような疳の虫からくる「夜泣き」については、主に昼間に受けた刺
激が原因となることが多いようです。
例えば、
@たくさんの人と接触した。かまわれた。
A何か興奮してしまうようなことがあった。
B疲れた。
C普段の生活のリズムが崩れた。
Dご両親、またはお母さんがイライラしている。
E他に兄弟がいて赤ちゃんにかまってあげられない。
F逆にかまい過ぎ。過保護。
昼間は元気に遊んで、寝る前までは機嫌もよかったのに、夜急に泣き出すこともあります。特に
原因がない、わからない場合も多々あります。また、全ての赤ちゃんに見られるわけでなく、全くない
子もいれば、ほんの少しのことで夜泣きをする子もいます。その程度も、泣くわけでもなくグズグズし
ているものから、火が付いたように激しく泣く場合もあります。これは個人差であって、その子の個性
ですので心配はいりません。
とはいえ、実際「夜泣き」をされるとお母さんの睡眠時間が削られ、体力は消耗するし、そうすると母
乳の出も悪くなります。アパートなどに住んでいたりするとご近所のこともあるので、赤ちゃんがゆっ
くり寝てくれることに越したことはありません。
これらの赤ちゃんの症状は東洋医学的にいうと、気の乱れ、偏重によるものということになります。
赤ちゃんは、気のかたまりであり、外界のものに対してまだ慣れていないので気を乱されやすいのです。
「小児はり」は気を調整する治療法ですので、夜泣き、疳の虫には大変有効です。
* 治療頻度・治療回数は、最初の数回はできるだけ間隔を開けないで(できれば毎日)治療された
方が効果的です。その後の経過を診て間隔を開けいきます。ほとんどのお子さんが3〜5回目ぐらい
ではっきり効果が現れてきます。
治療例...
夜泣き 6か月の男の子
1か月前から夜寝なくなり、一時間おきに目を覚ます。最近はそのときに泣くようになった。夜泣きの
他には、便秘がちで3日に一回苦しそうに排便する。
てい鍼(爪楊枝の先に丸い球が付いたようなもの)を脾経、肝経の経穴(つぼ)にちょんと当てる。次に
円鍼(丸い金属の棒に丸い球の付いたこけしの様な形のもの)で腹、背中、手足を軽く撫でて治療終了。
治療した夜は何度か目を覚ましたが、それはど泣くこともなくすぐ寝てくれた。排便もあった。
次の日に来院。同様の治療を施す。3・4回目を覚ましたがすぐ寝てくれた。排便もあった。以降、
一日おきに3回治療。夜中に3回くらい目を覚ますことはあるが、泣くこともなく安定している。排便も
ほぼ毎日あり、以前のように苦しそうに出すようなことはなくなった。
横浜市港北区 グリーンライン高田 鍼灸院 小児鍼 夜泣き/疳の虫