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言葉で伝えて


「・・・おや、どうかなさったのですか?」

「私ですか? 私は人を待っているのです」

「えっ・・・?」

「ふふっ、違いますよ。水の守護聖ではありますが、水の精霊ではありません。・・・あなたのお仲間ではないのですよ」

「ここには私の他は誰もいないようです。・・・誰かをお探しなのですか?」

「・・・・・伝えるべき人を?」

「いろいろたいへんですね。大事なお役目なのですね」

「ええ、どうぞお座りください。休息をとることも大事ですよ」

「いいえ、待ち合わせの時間までだいぶんありますから大丈夫ですよ」

「あなたの声は不思議ですね。心の中に染み入るような、とでも言うのでしょうか。・・・あの、差し支えなければ、私の話を聞いていただけますか?」

「ありがとうございます」

「・・・人を待っている、先程、そう言いましたね。・・その人は、私がずっと想い続けてきた人なのです」

「ええ、想いを告げようと思っています。・・受け入れてもらえるかどうかはわかりません。でも、このまま私の心の中に仕舞っておくには気持ちが大きくなりすぎてしまいました」

「応援、してくださるのですね。ありがとうございます」

「ふふ、さっきまで心配だったのですよ、ちゃんと言えるのか、ちゃんと言葉で伝えることができるのか。今は言えそうな気がします。あなたのお陰ですね」

「えっ?」

「あ・・・・。ええ、彼女です。約束の時間よりずいぶん早いですね」

「私に会うことが待ちきれなくて? そ、そうなのでしょうか? ・・あなたがそう言うのならそうかもしれませんね。妖精には不思議な力があるのでしょう?」

「笑顔は肯定の意味だと勝手に解釈してしまいますよ?」

「・・・ああ、もう行く、そうですか。・・・話を聞いてくださってありがとうございます」

「ええ、私は言うべき事を言い、すべき事をいたします。あなたの応援を受けたのですから頑張らないわけにはいけません」

「あなたの探している人が早く見つかると良いですね。さようなら」


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『キット ウマクイク アナタノ 言葉ハ 本物ダカラ』

『伝エルベキ人 ハ アナタ』

『アナタニ 言葉ノ 妖精カラノ 祝福ヲ 送ル』


Fin


2010.5.1up




妖精と普通に話すリュミ様v
お誕生日記念(?)・・・・・年々手抜きになってない?
「愛」だけはあるんですけどね。・・・すみません。
「本物の言葉」ちゃんと言えてるかなぁ。