我が子へ

君は 同じ季節を行ったり来たりして

私たちが差し出す手にも気づかず

不器用に何かを手探りで捜している

でも 苦労すればするほど

かけがえのない未来が見えてくる

あの頃の頼りなく愛らしい後姿を

私たちの心のアルバムで

懐かしげに眺めることが多くなった

たとえ 大人の表情になっても

子供のままの君を見ているよ

突然 目覚ましのアラームに飛び起きて

君は旅立ちを告げ去っていくだろうけど

あらたまって贈る言葉なんてないよ

私たちと君の心はひとつのはずだから