Seagirt Mind
心の中まで洗い流してくれそうな波音に
ほんの少しだけ 酔いしれていると
だんだん それは人々の囁きに変わっていく
はるか昔 水平線の向こうだけを目指した冒険者の雄叫び
この大海原を支配するために心血を注いだ国王の懺悔
豊漁の網を曳く漁師の歓喜に満ちた歌
そして・・・人間であることに悩む者の微かな絶叫
自らの感性を研ぎすますほど それらの声が
大波のように 私の心を飲み込んでいく
瞬間・・・静寂がすべてをうち消して
頭上の月へと 意識を昇華させていく