普通のテレビ放送は電波で送られます。受信した電波はアンテナケーブルを

通じてテレビに接続されます。ですから、アンテナ線が外れているとテレビ放送

は映りません。当たり前の話ですが、電気の弱い方は当たり前でもありません。

掃除した後にテレビが映らなくなり、壊れたと自己判断しテレビを買換えにくる

お客様がいます。

誠実な街の電気屋さんは見に行って、アンテナをつなげてあげておしまいですが、

怖いのは自己判断です。

次の例は、少し電気に詳しくても自己判断で取り替えてしまったお客様の話です。

　　

結構電気には詳しく、テレビ・ビデオなどはご自分で配線してしまうお客様でした。30年前の話ですので、ビデオの配線などは

一般化しておらず、下手をすると電気屋さんでさえビデオの取付ができなかった時代です。今で言えば、ウイルスが入ってしまった

パソコンの除去ができないという位の難易度です。

30年前なので、今であれば「インターネットで調べれば分かるじゃん　」と思われるでしょうが、事は現代でも同じ失敗をする方も

お店をやっていたこのお客様は昼はお店に、夜は自宅にいます。今まで私からテレビを買ってもらったことはなく、昨日まで映って

いたお店のテレビが朝行ったらつかないのです。古いテレビならよくある話ですが、まだ秋葉原で買って（当時は大型量販店は

町中にあまりなかった）4年しかたっていません。

購入した量販店に電話しても「メーカーに電話してください」（当時の大型量販店は今のネット通販の様に修理に関しては何も

やってくれません）と言われ、しょうがなく、またその店でテレビを購入しました。

その店から配達された日のあと、別の修理でこのお客様に呼ばれてお客様が言うには「故障かと思って、取り替えたんだけど、

取付けてもつかないんだけど、返品するわけにもいかないので、映らないまま置いてあるよ」と言います。

この事を聞いて私は「あ〜あ！うちで買っていれば・・・」と思いました。

そしてお客様にこうお話ししました。「一昨日、雷が○○の神社の近くの共同アンテナに落ちて、一昨日からこの一帯でテレビが

見られません。この近辺のお客様からテレビ映らないの問い合わせが多くて数件調べてみて電波が来ていないのが分かりました。

お客様の話を聞くと前の夜、すごい雷で近くの神社に落ちたらしいと聞きました。共同アンテナの故障なのでもう少しで直ると思い

ます。」

わたしは共同アンテナの設備に落雷したであろうことはすぐに予想がつき、当店でお買い上げのお客様の家での電波測定の結果、

それ以降の問い合わせには「落雷のため共同アンテナがダメになっています。町会長さんを通じて共同アンテナの会社に連絡して

あります。復旧まで2〜3日かかると言っていますが普及すれば大丈夫ですからお待ち下さい。」と答えていました。

当店の様に地域密着の電気屋さんは量販店さんやネットでは分からない極めてローカルな情報も割と分かっています。団地の

どこの棟が今、アンテナ故障とか、このところ某訪問販売メーカーがあそこの団地に集中的に売り込みを掛けているとかも。地域店

ならではです。

そのお店のテレビは私が訪問したそのお店のテレビもその日の夕方、復旧し見られるようになりました。もちろんそれ以降この

お客様は当店でご購入いただける様になりました。