シルビオ・ゲゼル研究室

Virtuelle Institut für die Forschungen Silvio Gesells
Virtual Institute for Researches on Silvio Gesell
Instituto Virtual de Investigaciones sobre Silvio Gesell
Institut Virtuel de Recherches sur Silvio Gesell

最終更新:2004年2月26日

〜代表作「自然的経済秩序」〜
第1部 富の分配とそれを支配する状況
1-17 賃金法のとりあえずの概要

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生産物から地代と資本金利を控除して残るものが、全ての労働者(日雇い労働者、聖職者、流通業者、医者、使用人、王、手工芸者、芸術家など)の手にする賃金全体となる。分配は、需要と供給の中で自ずからの能力に応じて個人が自由に職業を選択することによってなされている。職業選択が完全に自由であれば(実際は違うがそうであったとして)、分配を通じて誰もが実際に「最大の」パイを得ることだろう。というのも誰もが自分のパイをにしようとしているのであり、その大きさは「需要と供給」が決定し、そして最後に職業選択によって決められるからである。

相対的な賃金の大きさは、職業選択や個人次第である。それに対し、実際の賃金の水準はそれには関係なく、賃金全体で決められる。各労働者の賃金全体への寄与が大きければ、それだけ取り分が増える。労働者の数はここでは関係ない。というのも労働者の数が増えることにより賃金全体の大きさも実際に増えるが、同時にその取り分にあずかれる人の数も増えるからだ。

今日それぞれの種類の労働者の賃金全体への寄与がどれだけであるかを、われわれは把握している。
  1. 農業の寄与は、一定欲の農民が荒野で耕作し、シベリアの自由土地から市場に運ぶ生産物の全体から、輸送費や金利や関税を引いたものに等しく、これは直接生産量に換算されて提示すべきものである。
  2. その他の原材料生産者による寄与は、最悪で辺鄙で、そのため地主のいない採取場から市場にもたらされる生産物の全体から金利を引いたものに等しい。
  3. 工場労働者や流通業者、医者、芸術家などの寄与は、都市での仕事をする利点を受けずに人々から離れて孤立して営業をすることから得られる生産物の全体から、金利を引いたものに等しい。
これらの生産を全て足し合わせ、現在の賃金体系で分配すると、自分の賃金の額によって今日実際に市場や商店で商品を得ることができる額を正確に得ることができる。

この額と、全労働による実際の生産量との差全体が、地代や資本金利となる。

賃金全体を上げ、物価上昇で相殺されない一律の実際の賃金上昇を達成するために、(広い意味での)労働者には何ができるだろうか。

答えは簡単に出る。賃金全体の守りを今までよりも堅固にして、寄食者たちから防禦するのだ。ハチやハムスターが自分たちを守るように、労働者は賃金全体を防衛する。地代や資本金利として差し引かれることなく、全労働生産が賃金全体として分配され、完全にそれを生み出した人に分け与えられるべきだ。この実現方法については、自由土地と自由貨幣の理論で説かれている。

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