お待たせしました。ここでは中南米の中でも、特にアルゼンチンのスペイン語の特徴である単語をいくつか紹介したいと思います。
che:「ねえ」。これはあまりにも有名なのでご存知の方も多いと思いますが、アルゼンチン人はしょっちゅうこのcheを使います。アルゼンチン出身のゲバラがカストロなどとキューバ革命のためのゲリラ戦を行っていたときに、彼があまりにもこのcheを使うのでキューバ人からChe Guevaraと呼ばれるようになったのは有名な話です。
boludo, a:「バカ、マヌケ」。あまり上品な単語ではありませんが、これもアルゼンチン人がしょっちゅう使う単語です。この名詞形boludez(女性名詞)や、動詞形boludearもよく使われます。また、同じような単語として、pelotudo, a/pelotudezもあります。
subte:「地下鉄」(コロンビアのメデジンなどでは「地上を走る市内電車」の意味にもなるが)にあたるスペイン語はスペインやメキシコ、それにチリではmetroですが、ブエノスアイレス(他の町には地下鉄がない)ではsubte(男性名詞)になります。
colectivo/micro:「バス」の意味では一般的にautobúsが使われますが、アルゼンチンでは「市内バス」の意味ではcolectivoが、「長距離バス」の意味ではmicroが使われます。ちなみに、メキシコではcamión(ふつうは「トラック」という意味)、キューバなどカリブ諸国ではguagua(男性名詞)といいます。あと、スペインでは「観光貸切バス」の意味ではautocarを使います。
nene, nena:「小さな子ども」。標準スペイン語ではnino/aというところですが、アルゼンチンではこう言います。また、大きくなった自分の息子や娘に対しても愛情を込めた言い方として使われます。
auto:「自動車」の意味では一般的にcoche(中南米ではcarroも)が使われますが、アルゼンチンではautoが好んで使われます。
nafta:最初何のことかわからないかと思いますが、「ガソリン」(gasolina)のことです。naftalinaの略らしいですが…。
este...:「えーと・・・」という表現はスペインではpues...が多いですが、アルゼンチンではeste...を使います。
provincia:「州」にあたるスペイン語は国によって違います。estado(メキシコ・米国・ブラジルなど)、departamento(コロンビアなど)、región(チリ)、comunidad autónoma(正確には「自治州」、スペイン)ですが、アルゼンチンではprovinciaを使います。なお、スペインではprovinciaは「県」という意味になります(日本の都道府県はprefecturaです)。また、ブエノスアイレス市はそれだけで他の州と同じ権力を持つ首都特別区を構成しており、ブエノスアイレス州(州都・ラプラタ市)とは別です。
intendente:「市長」にあたるスペイン語も、国によって違います。一般的にはalcaldeを使いますが、アルゼンチンではintendenteを使います。
birra:イタリア系の移民が多いこともあって、イタリア語からそのままアルゼンチンで定着したことばもあります。たとえば、ビールはスペイン語ではcervezaですが、アルゼンチンではイタリア語風にbirraということもあります。
laburo、laburar:これもやはりイタリア語から入ってきた表現です。trabajo(仕事・作品)やtrabajar(働く)のかわりに、イタリア語風にlaburo(イタリア語ではlaboro)やlaburar(イタリア語ではlaborare)ということもあります。
boliche:小さな飲食店(バール)の意味で、アルゼンチンではbolicheということもあります。
municipalidad:「市役所」の表現も国によって違います。スペインやメキシコなどではayuntamientoですが、アルゼンチンやチリなどではmunicipalidadといいます。
gallego, a:「スペイン人」。もちろん本当の意味は「ガリシア人」(スペイン北西部ガリシア地方の出身者)ですが、アルゼンチンに来たスペイン人はガリシア出身者が多かったということで、gallegoというとスペイン人の代名詞になっています。ただ、「マヌケなスペイン人」という意味合いで使われることが多く、chiste de gallegos(ガリシア人のジョーク>マヌケな人のジョーク)などがたくさんあり、あまりいい意味合いでは使われないので、スペイン人をからかうのでなければちゃんとespañol, laというのがいいでしょう。