日本酒


「平成7年3月25日(土)・26日(日)11:00〜15:00 第2回・一ノ蔵蔵解放」のポスターを見つけ、26日に行ってきた。去年の蔵解放は、一ノ蔵酒販のA見社長から声をかけていただいていたが、都合が悪くて行けなかったのだ。
 昭和48年、宮城県の4つの酒蔵店の企業合同により、松本町に新しい酒造会社一ノ蔵が設立した。昭和49年には本社工場を建設し、操業、営業を開始した。
 米どころ大崎平野が育んだ松山米。酒造用水は地下150mから奥羽山系の伏流水を汲み上げている。最新技術や設備を導入しているが、従来の手造りの良さも守り続けている。

 3月25日には、松山町に「酒ミュージアム」がオープンした。一ノ蔵は松山町の地元とのつながりを大切に考え、観光拠点作りにも協力している。
 JR仙台駅より普通列車で40分でJR松山駅に着く。蔵解放日には、松山駅から「酒ミュージアム」を経由して「一ノ蔵酒造工場」への無料送迎バスが運行されている。私は「酒ミュージアム」で下車せず、先に「一ノ蔵酒造工場」へ向かった。

 一ノ蔵酒造工場の見学は2度目である。ただし、今回は、精米所とビン積め場(酒の入った一升ビンを6本ずつケースに入れる)も見学できた。本社蔵では、一ノ蔵の酒ができるまでをコースに従って見学する。ガラス張りの部分から酒造りの様子が見えるようになっているのだ。
 見学コースの途中では、蒸した精米歩合60%(40%削って60%残した米。飯米の精米歩合は90%である)のササニシキを試食できたり、蒸し上げたばかりの米で「ひねりもち」(蒸し具合をみるため、熱い蒸し米を板の上で手のひらでつぶしながら、ひらたい丸もちを作っていく。やけどしそうなくらい熱いので、まねできない)を作ってみせてくれたり、麹も試食できた。
「手作りしてます」と思わせてくれているようだが、「工場」のイメージが強い。蔵ではなく、でかい工場である。酒蔵が次々と消えていく現在、生き残るためには近代的な工場を作り、良いものを多量に造り安く売る。将来的にはこの方法が正しいのかもしれない。でも、私は工場ではなく、蔵にこだわってしまう。

 一ノ蔵本社工場の見学の後は、1階ロビーで仕込み水の試飲、板粕の試食、日本酒と甘酒の無料試飲ができる。
 板粕をいただいた時、少し苦みを感じた。
 試飲できたのは「無鑑査本醸造・辛口ふなくち」「にごり酒」「純米酒 山廃生一本」「無鑑査本醸造・辛口」「純米酒 あ、不思議なお酒」である。「あ、不思議なお酒」以外を試飲したが、やはり、みな苦い。なぜだろう?私の友達で日本酒の先生(?)にこの話をしたら、「自分も以前から苦みを感じていた。杜氏が変わったからだろうか」とのこと。なぜ苦い?
 正直言って、美味くなかったぞ。大吟醸なら美味くて当たり前だけど、普通酒でも本醸造でも美味い酒を造る蔵はたくさんあるぞ。
 工場の外では「三平汁」の無料試食があったが、これも不味い。残して捨てている人が多かったので、本当に美味くなかったと思う。

「酒ミュージアム」は、酒にまつわる神話や歴史などを紹介する会館である。アニメーションも使っているので、子供も楽しく学べる?と思う。とても期待していた私は、思っていた以上に小さな会館だったので、少々がっかり。
 隣接する「華の蔵」では、地元の特産品の紹介や試食、日本酒の試飲などもできる。
「開館時間」 10:00〜18:00
「休館日」 月曜日
「入館料」 大人300円 高校生以下150円
(当時の料金です。現在は違うかもしれません)
 オープンイベントとして、松山太鼓、神楽、金津流鹿踊、琴演奏、バナナのたたき売り、南京玉すだれ、野点、屋台などがあり、にぎわっていた。天気が悪かったのが残念であった。寒かった。利き酒大会があったほうが、盛り上がると思った。3種類でも良いからやればよかったのにな〜。
 私は、「一ノ蔵」と書かれた2合とっくりを2本だけ買ってきた。

 秋の松山町は、30万株のコスモスが咲き乱れる「コスモス園」が開催される。
「開園期間」 9月1日〜10月10日
(おしまい)