「孤独なヒーロー:サイボーグ」

 サイボーグと聞いて、すぐ「赤いマフラーなびかせて・・・」とサイボーグ009の主題歌を口ずさんだ方、お友達になりましょう。あれ、確か「吹きすさぶ風がよく似合う・・・」だったよな、と思った方、あなたはまだ未熟です。
 などと、ディープな話はやめて、一般的なサイボーグについてです。
 肉体の一部または大部分を、人工のものと交換した人間(動物)のことをいいます。大抵の場合、本来の肉体より、強化されているので、人間兵器として秘密組織に売られたり、悪と闘って勝てたりするわけです。でも、普通の人とは違うから、一般市民からは疎まれて、少々屈折した主人公になってしまったり・・・。
 しかし、医学の進歩はめざましいですから、サイボーグも、夢物語ではなくなると思われます。総入れ歯をはめ、白内障の手術で人工水晶体を目に入れ、膝を人工間接に取り換えたお婆ちゃんは、立派なサイボーグです。そんな人を身近で捜してみましょう。
 余談ですが、かつて、あちこちで展示されていたらしい、マリリン・モンローや、妖精の姿をした「サイボット」。サイボーグ+ロボットからのネーミングらしいです。でも、あれは、決められた動きしかできない、リアルな自動人形であって、サイボーグは関係ないと思うんですけど。
(おわり)



「スーパーヒーロー10か条」

 先日、部屋の片付けを思い立ち、古い教科書、ノート、参考書なんかは、ほとんど捨ててしまいました。今更、勉強することもないでしょうから、他にも、思い切ってすててしまったものが、結構あります。
 なのになぜか、かつてテレビ放映された特撮子供向けヒーロー物関連の「宇宙刑事ギャバン大百科」「仮面ライダー大集合」なんていう本は、捨てることができなかったんですね。こっちの方が、はるかに「くだらない」本なのに。
 でもね、思い出があるんですよ。子供だましのお話だとわかっていても、テレビを見ている瞬間には、かっこいいヒーローだったんですから。
 でなわけで、本題の「スーパーヒーロー」です。
 一昔前、「宇宙冒険大活劇」と言われるSFの主人公は、スーパーヒーローでした。とにかくかっこいいんです。この人に全てを任せれば、宇宙は平和だ!と、思えてしまうキャラクターです。そこで、「スーパーヒーロー10か条」をまとめてみました。
  1. IQが高い。
  2. 強靱な肉体。
  3. 信頼できる有能な仲間がいる。
  4. 宿命のライバルがいる。
  5. 思いを寄せる女性がいる。(もちろん才色兼備)
  6. どんなピンチも間一髪で助かる。
  7. ユーモアのセンスがある。
  8. 変装が得意。
  9. 誉め讃えられると、大いに照れる。
  10. 一般市民の信用が厚い。
 これらを全て満たしてこそ、宇宙の海を駆け巡る不滅のスーパーヒーローとなれるわけです。
 でも、本や画面の中ならいいけど、本当にこんな人がそばにいたら、いやだなあ。劣等感刺激されまくりですよね。
(おわり)



「タイムマシン」

 SFと言えば四次元、四次元と言えば時間の軸、時間の軸と言えばタイムマシン!!ということで、SF世界では、いささか、使い古された感のある、タイムマシンについてです。
 未来人が現代にやってきて、騒ぎをおこしたり、事件を解決したりするのは、SF世界では、よくある話ですが、現実問題としては、どうなんでしょう。理論的にタイムマシンって、作れるんですかねえ。
「未来から誰もやってきたことがないのだから、タイムマシンは完成しない。」という話も聞いたことがありますし。
 いや、もしかしたら、未来からやってきた人々は、誰にも知られぬように、密かに活動を続けているに違いない。と、言ってしまうと、それはそれでひとつのSF小説になってしまいます。
 SF音痴の人でも知っているタイムマシン。それだけ、「時間」というものは、我々の生活に大切なものなんですね。だから、もしも時の流れがあやふやなものになったら、怖いと思いますよ。
 夜中に、時刻が知りたくて、枕元の時計を捜したとします。その夜に限って、持っている腕時計、5個全部並べていて、それが全部、微妙に違う時刻をさしている。驚いて、置時計をみたら、これもちょっと違う。というとき、かなり気味が悪いですよ。って、ずぼらな私が悪いんですけど。
 なにはともあれ、タイムマシン、もし乗れたら、どの時代に行きたいですか、という、ありきたりの質問で、終わらせてもらいましょう。
(おわり)



「不老不死」

 いつまでも若く美しくと願うのは、誰でも同じ。現実には無理なので、人は、毎年増えていく年令とうまく付き合うことを学んでいくのだ。だが、もしも、いつまでも年をとらず、永遠に生きることができるとしたら、その方法が発見されたとしたらどうだろう。人々は先を争って不老不死になろうとするのだろうか。
 知る人のほとんどいない伝説の地、霧や、うっそうと茂った森、切り立った崖が人を寄せ付けない、秘密の地、そこに湧き出る乳白色に輝く泉、水を飲んだ人は若返り、永遠の命を得ることができる。体の新陳代謝をすさまじいスピードで活性化することによって、その若さを保つことのできる水なのだ。しかし、新陳代謝には、老化作用も含まれる。飲み続けていなければ、生きていられないのだ。泉の水を飲まなくなると、若返り作用は終わり、老化だけが残る。あっという間に年を取り、死んでしまうのだ。ようやく辿り着き、若返った人達は、その地を立ち去ることができず、一生をその歓楽の地で過ごすしかないのだ。自らの手で命を終わらせるまで。
 これは、ある小説に出てくる不老不死の地である。不老不死は素晴らしい歓迎すべきことであるのか。私は否定したい。まだ、死が自分の近くに迫ってきてはいない年令だからかもしれないが(死はだれにでもいつでも起こりうることではあるが)、少なくとも、「不死」でいたいとは思えない。永遠なんて恐ろしい。終わりがあるからいいのではないか。童話の王子様とお姫様ではないのだから、「いつまでもしあわせに暮らしましたとさ」で済む人生があるわけがない。
「不老」には魅力がある。どうせなら、外見くらいは、一番いい状態のままでいたいものである。中身、つまり、経験や知識は蓄積していくことができて、外側は、ベストの状態を保つ、これがいいのではないか。しかし、自分にとっての外見における最高の状態とは、いつなのだろうか。小さい頃から母に「鼻は、一番最後に成長するのよ」と言われ続け、楽しみに待ち、はや「ん年」。一体いつまで待たなければならないのか。もういいかげん、低さに慣れてしまったではないか。
 とはいえ、100年分もの知識をため込んでいながら、見た目は10代、なんてのは気味が悪いというのは確かである。SFの中でも、そんな人物はきっと迫害される側になるであろう。
(おわり)



「冷凍睡眠」

「2001年宇宙の旅」や「エイリアン」でおなじみの「SFらしさ」を演出する小道具の一つが「冷凍睡眠」です。生物を人工的に極度に低い体温のまま保ち、仮死状態にしていつまでも生き長らえさせる方法です。「コールドスリープ」と言うと、より、SFらしさが響きます。
 SFにおいての「冷凍睡眠」の使用目的は、
  1. 現代の医学では治らない難病の患者が、将来治療法が発見されたときに治してもらうため。
  2. 長期にわたる宇宙旅行で、目的地に着く前に老衰で死ぬことのないように。
  3. 現代よりも、未来で生きてみたい
  4. 未開の惑星に不時着して母星からの救援を何百年も待つために。
 といったものがあげられます。
 医学は進歩していますから、動物実験くらいは、成功しているのではないでしょうか。それも、哺乳動物で。
 そこで、かなり前から、冷凍睡眠を使ったSF小説を考えています。それは、こんな話です。

 とある家で、双子の姉妹が誕生した。しかし、双子を忌み嫌う家系のため、姉は捨てられた。政府の秘密研究機関に連れてこられ、冷凍睡眠の人体実験に利用されてしまう。妹が自分の家で何不自由なく育てられている間、姉は何度も危険な研究の実験台にされる。やがて、二人は外見的には親子ほど年の差が開いてしまう。冷凍睡眠の実験は終了し、用済みになった姉は、研究所から出され、新たな実験のために、身元不明の孤児として、妹の養女になった。本当のことを妹に言えず、妹の娘として暮らす姉、彼女に課せられた、新たな実験のための使命とは・・・。

 と、ここまでは、あらすじを考えたのですが、先が続かない。「新たな実験」てのが、思い付かない。いいアイデアが浮かんで、オチができたら、一つの作品にしてみたいのですが。あまり、深刻にならない雰囲気の話にしたいと思っています。いつになったらできるやら。
(おわり)




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