悲しい夢
街をいつまでも歩いている
互いに何も
話すこともできず
ときどき
視線がぶつかるだけで
ときには前に
ときには後ろになりながら
どこに行き着くこともできず
横断歩道を渡り
歩道橋の階段を上り
灰色の夕刻の中を
歩き続ける
乗るはずだった列車を見送り
それでも互いに言葉をかわさず
暮れていく街を
さまよっている
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