「しあわせ」とは何であろうか。何をして「しあわせ」というのだろうか。
「しあわせ」になるにはどうしたらいいのだろうか。
 悲しいときや、落ち込んでいるとき、「ちくしょう!絶対しあわせになってやる!!」と、自分を奮い立たせるが、一体、どうしたらしあわせになれるか、具体的に考えようとすると、はたと悩んでしまうのだ。
 そんな形のない、人によって目指すものが違うようなものではなく、手っ取り早く、「金持ち」になることを目標にしたらどうだろうか。もちろん、これも難しいことである。なりたくてもなれない人がごまんといるのだから。しかし、金を貯めるのに、しあわせである必要はないし、目指すものが決まっている分、しあわせよりは簡単なはずである。よし、目指せ、金持ち!だ。
 だが、それすらも難しいのだ。現実の壁は、本当に厚くできている。特殊技術も商才も知識も、もちろん元手もない人間が大儲けする方法は世の中にあるのだろうか。幸運が私に訪れることは果たしてあるのであろうか・・・。
 こうなれば仕方がない。まずは、「いい女」になることにしよう。いい女と言っても、真っ赤な口紅が似合う色っぽい女ではない。体型・目鼻立ち・性格のどの面から見ても絶対にそうはなれないのだから。内面から自分を磨いていこう、と思うのである。中身を磨けば少しは外側も変わっていくかもしれない。もちろん、読書で鼻が高くなるとは思えないが。
 自分にも、何か転機が訪れるかもしれない。幸運の女神が微笑むかもしれない。そんな瞬間を逃さないために、今から少しくらい心がけておかなければと思い、今後の目標を、「いい女」→「金持ち」→「しあわせ」と決めてみた。
 これが本当に実現するのか、ということはわからないが、このくらいの前向きな気持ちで生活しないと、今の世の中「やってらんねぇよ」なのである。 と言いながら、実行がまだ伴っていない私には、「いい女」への道でさえ、かなり険しいものとなりそうだ。
(おわり)




しあわせ町大バザール