■■■  新星堂「pause」GLAY Special   ■■■





◇名実共に曲1ROCK BANDの道をひた走る彼ら4人全員のインタビューを掲載!取材はビル群の影も揺れる真夏のTOKYO。
クールに熱いGLAYの面々。pause編集長・早川がインタビュー&完全責任編集で贈る、GLAYスペシャル・インタビューをどうぞ!



リラックスした状態で曲作りをした結果が『MERMAID』であり『とまどい』

----この夏は泳いだ?

HISASHI 今年は行けてないですねえ。
JIRO 今年は泳ぎには行ってないですけど、この間、TERU以外の3人と、函館時代の友達とかスタッフとか15人位で、多摩川の河川敷きでバーベキューやりましたよ。

----ヘえ〜。河川敷バーベキューはトイレ困らない?

JIRO そんなの草むらですよ。(一同爆笑)
HISASHI そうそう、おもむろに人気の無い方に歩いて行くんですよ(笑)。
TAKURO 男は黙って草むらっスよ。(一同笑)
JIRO あっ、川にダイレクトもあった。川下に親子がいたりなんかして。(一同笑)

----ハハハハッ!元気な子になるか!?

TAKURO 腫れも引くでしょ。(一同笑)

----そうそう、TERUは沖縄に遊びに行ったらしいじやない?

TERU 行って来ましたよ。なんか南の島に行きたくて。2週間くらい那覇に滞在して、離れ島に行ったり。沖縄サミットの会場になったホテルに泊まってたんですけど、いいホテルでしたね。また行きたい。

----さてさて、今年ば長期休暇から入ったわけだけど、その直前の年未は忙しかったでしょ?

JIRO 12月は異常に忙しかった。もう地獄だった。
HISASHI メンバープロデュースのライブもあったし。
JIRO そうだよねえ。でもあのプロデュース・ライヴは結果的に凄く良かったよね。

----色々新たな発見があったでしょ?

JIRO そうですね…TAKUROのライヴ以外は。(一同爆笑)
TAKURO ありや忘年会だったじやねえ−か。(一同爆笑)
TERU あっ、遂に割り切った(笑)。
HISASHI 割り切った、割り切った。(一同笑)
JIRO オーディエンスが熟年層に限定されてたじやないですか。やっぱノリが違うんだよね。俺らがどんなにカッコ付けても、いくらロックしようが暖かいまなざしで見つめられちやって。(一同笑)あの夜ば本当仁面自かったよ。TAKURO弾き語りの尾崎豊「I LOVE YOU」と宇多田ヒカル「First Love」も聴けたし。
TAKURO ねえ(照笑)。もう侮い無しって感じ。カラオケもやったし。
JIRO アマチユアの頃ってあんな感じのノリだったよね。ライヴで、対バンがあると1人でもお客さんつかもうって真面目に演るんだけど、自分達でワンマン企面してやると、結構そういうノリで。ねっ。
TAKURO ウンウン、お祭りノリだったナ。
HISASHI それのカッコいい版が20万人の幕張だったわけですよ。『手作り』感がもっとも大事。

----『手作り』と言えばNEVER MINDの音源、HISASHIにEメールでもらえて嬉しかったよ。俺でも手に入らないんだもん。

HISASHI いえいえ、でも送信に30分かかった(笑)。

----受信も30分かかった(笑)今の一般レベルのEメール送信技術じや、普源配信のデータはまだまだ重たいね。でも音は楽しんで演やってる感じが良く伝わってきたよ。

HISASHI 遊びましたね。それが今年の始め。すぐハワイに飛んでレコーディングして。
TAKURO あれは本当に遊びですから。

----JIROは正月沢山お餅食べたそうで?

JIRO …いや、実は全然食べてない。あれは営業トーク。
TAKURO 営業トークになってんの?微妙な営業トークだなあ。(一同笑)

----取り合えず年明けからの3か月は完全オフを取れたと言えるの?

TAKURO 冬は完全なオフと言えましたね。なんも当てのない曲作りは趣昧の域じやないですか。リフレッシュして、リラックスした状態で曲作りをした結果が『MERMAID』であり『とまどい』で、それらはその時期に作った楽曲で、プレッシャーもなく作った楽曲が後々シングルになって凄く良かったと思う。さらには「末来日記」という大きいチャンスまでいただけて…うん、凄くいい結果になったと思う。



新曲をライヴで育てていくというのは本当に重要なこと

----4月からは活動を最下位してツアーをスタートさせ、先月はL.A.に飛んで…ここら辺りが今年の前半戦と考えていい?

TERU L.A.は『MERMAID』のビデオ撮影で行きました。
TAKURO あの撮影が7月中旬だから暦の上では前半戦ですよね。

----前半のツアー自体を振り返ってどうですか?

TAKURO 最初の代々木(オリンビックプール)ば自分のイメージする理想像に執着する余りに固い場面もありましたが、10本を超えた辺りからかなりリラックス出来てきたし、なによりも今回の新しい試みである、映像チーム(VJ)とのコラボレーションが息もバッチリ噛み合ってきて、バンドのうねりと一体になれるシーンがいっぱいあったりして、今回くらい一つのツアーで成長して行けているっていうのは、かつて無いんじやないかと思うんですよね。映像以外は派手な演出っていうのはなかったけれど、バンドが持つたくましさは今までで一番だなと思いました。
HISASHI 脱皮する瞬間みたいなものが『HEAVYGAUGEツアー』の前半に何度かあって、それこそがエンターテインメントを全てやった上でのGLAYらしいツアーだと思えて、面自かった。
TERU 『MERMAID』と『とまどい』は代々木からずっと演奏してきて、今まではなかなかスケジュール的に厳しくて叶わなかったんですが、新曲をライヴで育てていくというのは、本当に重要なことだと思えました。僕らも曲も成長出来ていることが凄く楽しいんですよ。自分達のテンションを楽しめているというか。
HISASHI そのテンションのせいで、かっ飛ばし過ぎちやうこともあったよね(笑)。ステージの上だけの共通語みたいなものが俺達の中にはあって、それは言葉ではないから言い表せないんだけど、今回のツアーはサービス精神旺盛なGLAYとは違う所に脱皮しようとしてて、本当に音で勝負に行ってるから、つい、お客さんを振り切っちやってることとか実際にあった。そんなバンド・スタイルは、GLAYのスタイルを見ているようだったナ。

----HISASHIは『半モヒカン』も見せてくれてたし(笑)。

HISASHI ええ。凄い中途半端で嫌な感じでしたよね(一同笑)。新潟公演の最終日に、自分にカツを入れるためにやってみたんですけどね。特にステージの上では、スピード感とか鋭い感じが好きだったから。

----JIROとTAKUROは柔らか目なバーマあててたよね(笑)。

JIRO パーマあててましたね(笑)。
TAKURO 結構ね、自分では気に入ってるし、今回の新しいステージ共々、好意的に受けてもらえている気がします(穏笑)。



自分の生き様として捉えていただきたい

----『MERMAID』が7月19日にリリースされ、見事チャート1位を獲得したわけですが、HISASHI節ともいえる金属音的なギターが新鮮な印象を与えつつ、個人的には1stアルバム『SPEED PPOP』この匂いも感じて、原点回帰さえも成し得たのかなと思うのですが…。

HISASHI ウンウン、多分その原点回帰なんだろうね。今回、これだけストレートな8ビートって、今までやりたがらなくて、どこか16ビートっぽいフレーズを入れたりしちゃってたんだけど、凄い意識してストレートな8ビートをやってみようっていうのがありましたね。
JIRO 『SPEED POP」の匂いがあるっていうのば、あの頃はストレートでサウンドで着飾ることば余りしていない。でも今と違うのは、あの頃は単に『出来なかった』からで(笑)その後、色々なチャレンジをしていくうちに、どんとんサウンドが分厚くなって入ったんだけど、今年最初のシングルは、もう一回ストレートな8ビートでカッコいいのを作ってみようよって事だったんですよ。

----強烈なギターリフ一発で、この楽曲の個性を揺るぎないものにしているしね。代々木でも本当印象的だった。

TAKURO 『MERMAID』はレコーデイング前にライヴでガンガンやってきたことによって、ライヴの疾走感みたいなものを思い切り出すことが出来た。今だに大好きなテイクですね。

----HISASHIはラジオかなんかで「『MERMAID』のソロは足が3本いる」って名言を吐いたって聞いたゾ(笑)。

HISASHI そうそう(笑)、だからあそこは凄い格好でレコーディングしましたよ。イングヴェイばりに(笑)。ソロの作り方として展開が欲しくて、3つのソロから構成されているんです。

----『MERMAID』は息つぎ大変でしょ?(笑)

TERU ハハハ、はい。『SURVIVAL』に続いて、ライヴでばサビになると身体の動きがビタッと止まるという(笑)。

----カップリングの『ROCK ICON』を含め、歌詞的には『怒り爆発』な2曲ですね。

TAKURO 今まで忙しさにかまけて見過ごしていた部分が、長期の休みをとることによってそういう事実を自分なりに熟考する時間を作れたというのが大きいですね。やっぱりバンドって楽しいよねっていうメッセージの他に、今の世の中に対しての自分の意見を述べるというのは20代中盤を過ぎた辺りからやってみたい事の一つではあったんだけど、ようやくそれが表現できた感じ。

----騒がれた17歳の一連の事件などは、ナーバスなネタだから扱い辛くもあったのでは?

TAKURO まあね…ではあるんだろうけど、結局は俺らは楽器をかき鳴らしてる連中だから、そんな例えばGLAYが与える影響なんて考えてたら何も言えないわけですよ。誰かが傷つくからこれ言っちやいけないなんて考えていたら、言いたい事がどんどん言えなくなってしまう。人を傷つけてでも言いたい事があるんだって言うのは、同じ痛みを、俺も背負ってでも言いたいんだっていう覚悟がなくちや出来ないよね。それはもう、自分の生き様として捉えていただきたいわけですよ。『ROCK ICON』ば新渇でリフを思い浮かんで、言いたい事は分かってて歌詞の構想は頭にずっと描いてあったから、あとは曲と言棄を選べばいいという感じで、曲作りはスムースだった。

----2曲とも歌詞の引用ではないタイトルが冠せられましたね。

TAKURO 最近ば歌詞の引用でタイトルドしていたケースも多かったんですが、自分が目指しているもう一つのスタイルを出して行きたいなって思った。『MERMAID』は今年1月か2月頃作った時は歌詞が全然違ったのね。もっと『MERMAID』というタイトルに相応しい、軽いPOPなラヴ・ソング的な詞だったの。でもその時言いたかったのばその事ではなくて「警察何やってんのよ」って事だったし、一連の事件に関して「俺はこの不条理な出来事ばどうしても理解出来ません」っていう事だった。それらは今言わなくてどうするんだって気持ちでいっぱいになって、歌詞を全て言き直した。最終的にタイトル『MERMAID』だけが残ったということです。『ROCK ICON』は聴いた人の想像に任せますけど、タイトルからして皮肉であり、自分の地がかなりそのまま出てます。

----『ROCK ICON』はTERUとの共作詞だけれど?

TERU 最初、TAKUROが言いたい事を書き綴ってて、そこに俺が「このビートならこの単語の方が良くない?」って感じでまとめていった感じです。

----『ROCK ICON』のエンディングば、プログレっぽいノイズで終わるのが面白い。あそこは凝った作りだね。

HISASHI あれはね、シーケンスものを最初に入ってるものを軸にやるんじゃなくて、後からハメたの。だから既存のシーケンスものの打ち込みっぼい感じにならないで、新鮮な感じに聴こえると思うんですよ。

----そのノイズに紛れて永井さんのドラムが凄いことになってますね(笑)。

TAKURO 凄まじい(笑)。
JIRO カッコいい終わり方になった。



hideさんの曲ってコードの展開とか凄く難しい

----先日、hideミュージアムムのイヴェント・ホールの巨大スクリーンで、『MERMAID』のビデオ・クリップを観る概会があったんだけど、あれだけ大きなスクリーンで観ると、改めて映像監督・丹修一さんの彩りの深さは凄いなって思った。色深いから人物の表情も深く感じたし。

TAKURO 丹さんはいいっスよねえ〜。
JIRO あのスビード感のある音源に一人10分程度のカットしか撮影していないんですよ。しかも演奏シーンの他は階段のの踊り場で立たずんでるだけとかだし、どうなるのかと思ったら、さすがだなって感じですよ。テイクを少なく撮る人って、多分撮影前から完成形が頭の中で見えてるんでしょうね。沢山撮りまくってバンドがピークに達した瞬間を撮影したいっていう人もいるし、それはそれでやり方としてば有りだなって思うけど、丹さんは撮影前から「俺が描くGLAYはこう撮りたい」っていうヴィジョンがハッキリ見えてたんでしょうね。

----JIROは写真とか好きだし興味あったでしょ?

JIRO 凄い刺激的だった。ライティングとかカメラの動き方とか観てると、それだけで楽しかった。だから映像クリ工−ターは、前回良かったからってまた同じ人に頼むんじやなくって、色々な人と仕事して色々な刺激を受けたい。

----hideさんも映像感覚とかは凄い人だったけど、hideミュージアムでGLAYは早々にライヴやったじやない?hideミュージアム自体も観た?

JIRO 観た観た。ギターの年賀状感動した(笑)。あと『ROCKET DIVE』の直筆の歌詞はグッときたな。
TAKURO 俺と同じで字は上手くなくてホッとした(笑)。
JIRO そうそう、人間臭くて良かった。あまり人間臭さとかは外に打ち出さない人だったと思うから、何か感動した。

----子供の頃のLPや、大人になってから手に入れたであろうCDやVIDEOが山積みになっててね。

HISASHI 凄い勉強家だったんだなあってビックリした。そういう努力してる事とかも表には出さない人だったから。かまいたちのVIDEOとか懐かしかった(笑)。

----懐かしいのはいっばいあったよね。hideさんが演奏家でありながら、基本的にはリスナー体質だったのが良く分かるよね。あそこでのLlVEはいかがでした?あそこのcafeのホールは、横はちょっと広いけど縦は凄く狭いじゃない?あそこでGLAYが観れた人ばラッキーだね。

JIRO 凄く面白かった。hideさんの曲も3曲演奏しましたよ。
TERU 『ROCKET DIVE』『MISERY』『TELL ME』の3曲。

----『ROCKET DIVE』は初挑戦じやない?

JIRO うん、そうですね。とにかく、hideさんの曲ってコードの展開とか凄く難しいんですよ。
TAKURO リハの帰りにHISASHIと「覚えらんねえ!」とか言ってたもんな(笑)。



テーマはビーチボーイズ風

----そして大ヒット・シングル『MERMAID』から間髪入れずに、新曲『とまどい/SPECIAL TANKS』が届きますね。

TAKURO 今年は沢山休んだのでシングルはガンガン行きます。

----先ほど「『未来日記』という大きいチャンスまでいただけて…」と言ってたけど、サザンの『TSUNAMI』とか福山雅治の『桜叛』とか凄かったわけじやない?逆にプレッシャーは?

TAKURO プロモーションに対するプレッシャーはあるよ。でも『とまどい』は番組のために書き下ろしたのではなく、その前から存在していた曲を使ってくれることになったわけで、ライヴで十分練り上げることが出来て身体に馴染んでレコーディングに臨めたから、制作時のプレッシャーは無かったナ。…売れなかったらカッコ悪いナくらいは思ってるけど(笑)。

----番組は観た?

TAKURO 忙しくてON AIR日には観れないけど、VIDEOで録ってもらったのを後でここ2回分くらいは観た。番組と曲と、お互いにいい影響を与えあえたらいいなって期待しています。『とまどい』も『SPECIAL THANKS』も、今までのGLAYの曲作りのお約束な流れは全部やめて、どう展開するか分からない、色々な流れがあるような曲にしたの。音とかもコーラスを厚くしたりハープの音を入れたりね。随分とチャレンジしました。

----なるほど。『HOWEVER』とかがサビでいきなりガツンときたのに比べると、『とまどい』ば,瞬間地味に感じたんだけど、聴けば聴くほど新たな発見がホントにあって、メロディも聴けば聴くぽど、どんどんいい曲だなって思えたのね。

TAKURO 自分違でも聴く毎に発見があったくらいですから。

----ギター・ソロのシンセ、ヴォイス・エフェクト、ブレイク、転調 etc …色々な仕掛けがしてあるよね。『ロールプレイング・バラ-ド」って感じで。

TAKURO なるほど。難しかったのは歌い出しのAメロに強いインパクトがあったから、曲の構成を組むのが大変だった。

----エンディングも凝ってて、爽やかなガット・ギター&分厚いコーラスと、永井さんの暴れドラムっていう粗み合わせが凄い。

JIRO 永井さん、最近、俺らがリズムを取れないようなドラムを叩くんですよお(笑)。
TAKURO 迷惑なんだよね。(一問爆笑)
JIRO 最近、永井さんは『第2期年TOSHIドラム』に入ったらしいんですけど、俺ば密かに『デンデ太鼓』って呼んでマス(TAKURO爆笑)。あのエンディングそのままは、俺らが演奏出来ないんじやないか?(笑)エンディングのガット・ギターはTAKURO?
TAKURO ん?弾いた覚えないな。
HISASHI あれは俺だって(笑)。

----HISASHIのガット・ギターは珍しいね。

HISASHI そうですね。あのテイクを録るゾっていう時に、TAKUROが満足そうな顔してスタジオから出て行ったから(一同笑)、「後は頼む」ってことかな?って思って、ガット・ギター持ち出して弾きました。
TAKURO あの時か。あの時は完全に力尽きたんだよネ。デンデ太鼓に付き合ってたから。(一同爆笑)

----TERUのコーラス・ワークも聴き応えあるねぇ。今までやってないパターンじゃない?

TERU TAKUROからビーチボーイズ風でってテーマが挙がってたんで、いっちょ頑張ってみようかなって思って。
JIRO 反町だ。(TAKURO「反町/FOREVER」熱唱)

----その「ビーチボーイズ」じゃねーって(一同爆笑)。

TERU 本家の(笑)ビーチボーイズのCD買って車に乗りながら聴いて、夏らしく暑苦しくならないようなコーラスを研究しました。
TAKURO TUBEから夏の座を奪うつもり…なのTERU?(一同爆笑)

----ビーチボーイズもサーフィンやってたのば一人だけだったって話だからGLAYも行けるヨ(笑)。



戸惑った時?やっぱりTAKUROクンにGLAYに誘われた時

----タイトルは『とまどい』ですが、詞中では『戸惑い』と感じで表記されていますが?

TAKURO う−ん…なんか漢字で『戸惑い』だとタイトルっぽくないし、暗い感じがしたのかな。もう少し戸感いながらも自分の道を見つけていくっていう意志を特った曲だから、タイトルとしてば平仮名の方がビンときた。

----何か戸惑った経験はある?

TAKURO 戸感うっていう状況は説明すると難しいよね。困ってるのとも深く悩んでるのとも違うし、驚いたでもないし。
TERU うちのボディー・ガードが外国人で、その人に「とまどいって英語では何?」って訊ねたら応えに悩んでましたね。

----現象としてハッキリしてないよナ。

TAKURO まあ…昨日、彼女の家に遠びに行ったら、他の男と凄いことになってた時は戸惑った。(一同爆笑)※注:冗談です。

----ハハハ、チョー辛いねえ(笑)でもそれは戸感わなくても答えがそこに出てるジャン(一同笑)。

TAKURO そうそう、だからホンの一瞬戸惑って、自分の心に深くうなずいた。「また逢う日まで…」って(一同再笑)。
JIRO 戸惑った時かあ…何でしょう?やっばりTAKUROクンにGLAYに誘われた時だな(一同爆笑)。その時はハードなやつをやりたかったんだけど、GLAYは優しいイメージがあったからどうしようかって思ったんだけど、TAKUROクンから「じやあ手伝ってくれないか」って感じで当時言われたから、そういう関わり方をしていいものかどうか俺なりに当時戸感いましたね。
TAKURO 引き受けてくれたんだけど、それから今に至ってるから、JIROは実はサポート・メンバーなんだよな。(一同爆笑)
JIRO そのギャグ懐かしいな!デビュー当時よく使ってた(笑)。
TAKURO いや、実はそうなんだって。

----ワハハハ!…HISASHIの戸惑いは?

TAKURO 激しいこと言って欲しいなあ…超ド級なヤツ。(一同笑)
JIRO 超エロいヤツ。(一周壊笑)
HISASHI ええー(困笑)!?いや真面目に…やっぱり「REVIEW」が売れた時に戸感つた。「これでいいの?」って。楽曲はもちろん自信作だらけだけど、オレらの意志とは別に、なんかあの時「現象」っぽい捉えられ方までされてたから戸惑いましたねえ。「俺、TV向きじやないのに…」って。(一同笑)
TERU あっ、俺も思い出した。前に何かのシングルがリリースされて「ミュージックステーション」に出演が決まって、スタッフから「番組内でチャートが発表されて、その時1位だから」って聞いて婚しくて、どんなガッツボーズとろうかとか前の晩から考えてたら、「第4位…GLAY!」だったの。1位だと思ってたから「アレッ?!」って。その時は戸惑った。(一同爆笑)
JIRO あったあった一ガッツポーズの練習までしてたもん。(一同爆笑)
TAKURO 「何の意昧があって、かつがれたんだろう…」とか落ち込みつつ、「何で1位じやないんですか?」なんてカッコ悪くて聞けないしって感じだった(笑)。

----『SPEXCIAL THANKS』は新たな書き下ろしナンバーだよね?もうもう詞が最高傑作なんじゃないの?

TAKURO これは映画版「未来日記」のために新たに書き下ろしました。スーパー自信作ですよ。もう書き上げた時にシビれたね。こんなに時間がかかったのも初めてって言うくらい、推考に推考を重ねて書いた。曲の出来が良かったので、詞がそれに負けないようにって思ったのと、この曲も早く仕上げてライヴで早く演りたかったから頑張って作りました。ズ足な仕上がりです。

----映画の台本とか目を通せたの?

TAKURO 「未来日記」という企画の性格上、話が最後まで完結していないので参考にしようがなくて、『SPECIAL THANKS』の詞は映画のストーリーというよりは自分の実体験を元に、頭の中で宇宙を広げて作りあげました。

----詞に描かれた季節感や微妙な情景描写、心理描写…もう、どれをとっても超一級品のラヴ・ソングと言えるんじゃないかな。ワビサビの世界まで足を踏み入れてる気がする。

TAKURO ウン、今持点で、最高のカを出しきりました。

----バックトラックもそれに呼応するように、素晴らしい演奏だね。冒頭のJIROのベースはフレーズだけで泣けるよ。

JIRO ベースは一度録ったんだけど、TERUがヴォーカルを録ってから、それを聴いてもう一回全部録り直したんですよ。ライヴをやる前にリズム隊だけ先に録ってて、ライヴで何回か演奏した後にTERUのヴォーカルを録ったのかな?その歌声の『体温』に引かれて、もう一回録り直したいって思った。最初は曲を重視してて魂が込められていなかった気がしたけど、リテイクしてみて自分でもこの曲のベースが大好き。

----なるほど。TERUの抑制の効いた歌い出しが、またなんとも味わい深い。

TERU 冒頭の「♪道の向こうに戻れない夏がある」っていうフレーズに、気持ちを置くように置くように丁寧に歌っています。サビも盛り上がる所もさらに強い気持ちを込めているんですが、今までのバラードと違うのは、余り熱くなり過ぎないよう心を込めたつもりなんです。

----「♪まだ見ぬ帳のどこかで不意にめぐり逢えるのなら 懐かしさにただ立ちつくす前に…」っていう所は、詞もTERUのヴォーカルも最高の聴かせ所だね。

TAKURO …不意にめぐり逢いたいねえ…違えるかなあ…(超しみじみ/一同笑)。

----TAKURO、珍しくおセンチだねえ(笑)。

TAKURO そ−なんスよ。夏の空ば俺には青過ぎて…。(一同笑)

----ハハハハ。元気出して(笑)。そんな特はJIROの『Good Bye Bye Sunday』を聴いて!

TAKURO (笑)あっ、『Good Bye Bye Sunday』は確かに慰められる(笑)。



人が作った曲だと俄然ギター頑張っちゃう

----3曲目に収録された、そのJIRO作詞作曲の『Good Bye Bye Sunday』はカントリーブルースっぽいっていうか牧歌的なナンバーだったから意表を突かれたね。絶対にパンキッシュなナンバーだろうつて誰もが思ってると思うよ。

JIRO やっぱり今まで、自分で『JIROのキャラクター』っていう事を意識し過ぎて曲作りしていた気がするし、今まではそれが大事だと思ってたからそうしていてOKだったんだけど、HEAVYGAUGEッアーの出で立ちを見ていただければ分かる通り、今はそうじやない所に行きたい気がしてるの。自分の中でば『魅せる』ことはもういいんじやないかなって少しづつ考えてきていて、それよりも一つ一つの音に責任を持ちたい。そして、GLAYのJIROという事を一切意識せずに作ったのが『Good Bye Bye Sunday』です。
TAKURO みんなが書いた曲を持ちよって選曲会議をするんだけど、その時にはJIROはこの曲の他に10曲くらいあったかな?その中には今までみたいな早いビートの曲も変則的な曲もあったけど、この曲がアンテナに触れたね。
TERU この曲をJIROから聴かせてもらった時に最初に頭の中に浮かんだのは、ギタ−を車に積んで青空の下で弾いてる景色ですね。だから夏の終わり際の気持ち良さそうな、風を感じるようなナンバーにしたいなって思いました。
HISASHI 俺は、暖炉の前に揺れるイスがあって、その横にギターが立てかけてある…そこで「じやあなんか一曲やろうか?」っていうイメージだったの。だからいつもなら複数のギターを使って録り分けるんだけど、珍しくストロークもソロも1本のギターで録ったんです。そういうイメージ作りも大切なんですよ。
JIRO それから、今回、TAKUROとHISASHIの二人のギターの絡みが凄くいい感じだなって思った。音色とかはクリーン・トーンのマイルドな感じで大して変わらないから、フッと聴くと一人のギターにも聴こえるんだけど、よく聴くと明らかにそこには二人のギターが鳴ってて、それがどうしても色分けしていた今までとは違う、凄くいい感じだなって思えた。
TAKURO 人が作った曲だと、俄然ギター頑張っちやうんだよな(一同笑)。

----ということばTAKURO以外もどんどん曲書けば、どんどん親しい感じが生まれて行くジャン。

TAKURO そ−だ、そ−だあ!JIROはまだいい。でも、この二人は!1曲しか書いてこないんだ。(一同苦笑)
TERU 「ああ、選曲会ね…ハイ」って1曲渡すの(笑)。
HISASHI しかもTERUはその1曲がメッチャグチャ気合い入ってんだ(一同笑)。音バッチリで、キメまで入ってんの(笑)。
TAKURO しかもCDに焼いてきててサア!このまま売りやいいジャンみたいな。(一同爆笑)
TERU ハハハハハ!ソロ?
HISASHI
 でもさ、TERUのデモは、歌が凄いから得なんスよ。選曲会の時、俺のデモがTERUの後とかだと、結構、涙モンなんスよ(一同笑)。明らかに自分がイメージしているものと違う歌が流れてきてたりするから、仕方なく口頭で「こうじやないんだけど…」とか言い訳しちやったりして。(一同爆笑)

----確かに大したことない曲に聞こえちゃったりするかもな(笑)。デモテープ用に歌い手を雇うソングライターもいるらしいよ。

TERU じやあ俺が歌ってあげるよ、1日1000円で(笑)。
HISASHI
 安う!!!頼む頼む、10曲くらい頼む!(一同爆笑)
TAKURO 1日1000円は安過ぎるだろ(笑)

---俺も頼む!1日中そばで歌っててくれ(笑)。…ちなみに『Good Bye Bye Sunday』はなぜ『Sunday』なの?

JIRO なぜでしょう?ゴロの良さかな。個人的にはSaturdayの方が好きなんだけど。あとは夏の終わりと日曜の午後が、なんかイメージが近かったからかな。『終わっちやった』感がありながらも、小さな幸せを確認出来たりする気がするんですよ。

---詞中に「♪簡単な言葉で傷つけあって 30分間ケンカした」とありますが、そんな特は先に謝る方?(笑)

JIRO 小さなケンカば出来るだけしないようにしてますね。一番近くの人とくだらないケンカをすることが一番くだらないから。それは恋人もバンドの仲間もスタッフもそう。感情より先に口が出ちやったりすることもあったから、日々反省して『いい大人』目指してます。それでももし30分問ケンカしちやったら、やっぱり先に謝っちやうかな?その時の雰囲気に耐えられない

----あー…分かる分かる。TAKUROは自分からは謝らないでしょ?

JIRO TAKUROが怒る時ば絶対理由があるものね。それはリーダー体質だなって思う。
TAKURO 俺、腹減ると怒るよ。(一同爆笑)
JIRO そ−言えば、TERUは和食くわないと怒る(笑)。
TERU そう…海外とか行くとイライラしちやう(笑)。

----HISASHIはケンカしなそう。

HISASHI しないかな。もししてもやっぱり空気が嫌で謝っちゃうナー。
JIRO 俺は仲直りした後、原因が何だったのか迫及するの。それが俺のやり方。
TAKURO「俺のやり方」って(笑)。JIRO平和論。(一同爆笑)



爽やかビーチボーイズ風コーラスの第2弾

----佐久間正英プロデユースの映画版「未来日記」サントラが9月6日に出ますね。その中にTAKURO/TERUのユニットによる弾き語り曲『夏の被方ヘ』が入るそうだね。ユニット名は?タクテル?(一同笑)

JIRO リッチー&サンボラだっけ?
TAKURO ユニット名?タック松本っスよ。(一同爆笑)
JIRO どっちが松本?(笑)
TAKURO フハハハ、俺がタックでTERUが松本。(一同笑)

----『夏の彼方ヘ』はどんな曲?

TAKURO アレ?まだ聴いてない?じやあ今、手元にあるから聴いてみて。(しばし試聴タイム)

----いきなりアコースティック・ギターと爽やかビーチボーイズ風コーラスの第2弾って感じで、これまた新チヤレンジ。

TERU 音楽性が自由になってきてて凄くいいと思う。
TAKURO 映像を一番美しく魅せるっていう事をテーマに「こんな事もやってみました」って感じです。企画ものは楽しいですね。

----フットワーク軽くていいね。こういう真面目な遊びが自分達の許容範囲をどんどん広げるよね。

JIRO サントラはとにかく佐久間さんが全曲やっていて強力ですよ。

----HISASHI演奏の『とまどい』ギターバージョンも、そのサントラに収録されるんだよね。

HISASHI そうです。既に収録済みで、TVで未来日記・「サマーデイズ」が始まって番組中で最初からかかってます。歌メロを弾くこと自体は難しいことではないけど、音の選び方に神経を使いましたね。

----早くそっちも聴きたいねえともかく「夏の被方へ」を聴いたら、このサントラもちやんと売りたくなった。ファンにはぜひ聴いてもらいたいなあ。購入者先着で「未来日記」×GLAYオリジナル・クリアファイルも付くし。



音楽はこんなに自由なんだって一番感したい!

----さてさて最後にツアー後半戦、レコーディング後半の意気込みを全員お願いします。

TAKURO 来年に出るであろうGLAY6枚目のオリジナル・アルバムでは、俺の中には野望があって、それはアルバム収録曲全曲をライヴで育ててからレコーディングに臨みたいっていうテーマがあって、だからツアー後半戦も当然新曲を用意して、オーディエンスとのパワーのやりとりをしていきたいと思います。後半戦のツアーに足を運んでいただける方々ば、その新曲なども聴き所なので、次のGLAYを占う意昧でもぜひその辺をお聴き逃しなく。
JIRO 今回の長いツアーは全然苦じやないし、1回1回新しい発見がある。これからもシンプルに、でも説得力のある音を見つけていきたいなって思います。
HISASHI HEAVYGAUGEツアー前半戦のライヴば凄く学習できる…そういうツアーになりました。それで今回のシングルとかはライヴで色々得た結果が自然に出ました。それは音楽を自然に楽しみながら曲を作れているなって思えた。だから、これからのツアーではステージででも、もう少し自由に純粋に音楽を楽しみたいなって思います。
TERU 今世紀最後のツアーです。21世紀に向けて何かを残せるような後半戦にしたいと思います。最近色々な楽曲を自由に作って楽しめるようになってきたので、その辺をもっと突き詰めてライヴの中で見つけて行って、音楽はこんなに自由なんだっていうことを自分で実感したいなって思います。




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