■■■   TERU   ■■■

 GLAYに対して、それはもう愛情を越えているんです





●ニューシングルの「BELOVED」というタイトルにちなんで聞きたいんですけど、『愛』という言葉から一番最初に受けるのはどんなイメージですか?

「そうですね。愛という言葉から一番最初に受けるイメージは……『幸せ』っていうことですね。孤独から解放された瞬間というか」

●それは、愛することによってですか。それとも愛されることによって?

「両方かな。幸せっていうのは、愛するっていうことと愛されるっていうことが微妙に入り混じって、それがいい関係になった瞬間だと思うんです」

●ということは、それは男女間の愛についてですね?

「そうです。自分の周りのいろんな物に対する愛情っていうのも勿論あると思うんですけど、やっぱり一番最初に思い浮かぶのは男女間の愛ですね」


●なるほどね。じやあ、最初は話を恋愛に絞ろうかな。男女間の恋愛感情には『恋』と『愛』があると思うんですけど、そのニつはどう違うと思いますか?


「う−ん。よく分からないけど、恋っていうのは遠くから見てる場合じゃないかな。まだ、愛にはなっていない状態での想いが恋だと思いますね。一方的に思ってるっていう。恋っていうのは、お互いの想いが通じ合って愛情が生まれた時から始まるものじゃないですか。でも、あんまり深く考えたことないですけどね(笑)」


●そんなことは、あんまり考えない?


「はい。でも、誰かを好きになって、その想いが通じて一緒になったとしても、その中でまだ本当の自分をさらけ出すことができない間は恋なのかもしれない」

●そうだと思いますよ。本当の相手の姿を尊重する心が愛ですからね。TERUも今まで、いろんな恋をしてきたと思うんですけど、そんな中で愛というものを一番最初に感じたのはいつ頃でしたか?

「愛ですか……。二十歳を、越えてからですね。それまでは、愛はなかったっていう気がするんです。もちろん、付き合った子とかはいるけど。だけどね、それは愛っていう関係じゃなくて、恋。いや、恋にもまだ達してないかな。高校生が言うところの『好きあってる』っていうよう関係でしたから(笑)」


●実際、十代と二十代の恋愛って違いますよね。二十代になると自分自身を客観的に見れるから、相手に求めることも変わってくるでしょう?

「そうですね。俺は、自分のことを干渉しない人を求めていると思うんです。やっぱり、バンドが好きだからかもしれないけど。昔は、恋愛とバンドは両立できないと思っていたんです。だからこそ、いつもバンドを選んでいたような部分もあったし。でも今だったら、絶対にバンドよりも勝るものがあるって言えるんです。本当に大切な人を幸せにできない者は、バンドも大切にできないんじゃないかと思うんですよね」


●そうですよね。愛せる人がいるからこそ、バンドや仕事を頑張れる部分もあると思うし。ではTERUにとって、理想の愛とは、どういう形ですか?

「自分よりも大切にできる人の存在が、愛だと思うんです。だからお互いにそう思い合って、八十歳、九十歳になっても一緒にいることが理想かな。そこには、もう愛はないのかもしれないけど(笑)」

●いや、そんなことないでしょう。確かに、若い頃に感じるあいとはぜんぜん違うのかもしれないけど。TERUの場合、女性に対する愛以外にもいろんなことに愛情を持っていますよね。例えば、歌うこととか。

「そうですね。歌を歌うことは、もう子供の頃から好きでした。今でも、すぐに鼻歌とか出てくるくらい。『うるさい!』とか『何、歌ってるの?』とか、よく言われますからね(笑)」


●それだけ好きな『歌うこと』が、今は仕事になっているわけですよね。仕事となると、歌いたくなくても歌わないといけない時もあるんじゃないですか?


「いや、あんまりない(笑)。でも、一度だけテレビに出た時にあったんです。声が出なくて、どうしても出たくないって思った時が。だけど、出ないわけにはいかなくて。あの時は本当に『何故、こんなに無理してまで歌わないといけないんだ?』と思って。あの時は、もう一生喉が使えなくてもいいから、今だけちゃんと声が出るようにしてくださいって、神頼みをしましたからね。結局そのテレビはボロボロだったんですけど、後からファンの人達から手紙が沢山来て。それを誌んでるうちに、読んで勇気が沸いてきたんです。『調子が悪かったみたいですね。でも、一生懸命歌ってる姿に感動しました』って書いてあって」


●声が出なくても、気持ちは伝わったんですね。そういう風に、今では沢山のファンの人達に愛されているわけですけど、そのことについてはどう思っていますか?


「そうですね。みんな、凄く愛してくれているんだなと思います。でもね、仮の姿っていうか、目に見える俺の姿ってありますよね。みんなは、そういう俺の理想の姿に憧れているだけなんじゃないかなと思う時もあるんです。きっと、素の俺を見たらガッカリするだろうなァと思うんですよね(笑)。だけど、そんな俺でも応援してくれる人は凄く大事にしたいです」


●ということは、これからは素顔の自分をどんどん出していきたいんですね?


「もう、出しています。だから、非難の手紙も来るんです。いろんな雑誌とかを読んで『あんなことを言っているんですね。ちょっとガッカリしました』とか」


●でも逆に素顔のTERUを知って、喜んでいる人も沢山いると思いますよ。


「そうだと、いいんですけどね。結局は、全部が俺だから。格好つけてる自分も、素顔をさらけ出してる自分も、両方ね。大きな目で見てもらえば、きっと分かってもらえることだと思うんです」

●その辺りは、分かって欲しいですね。でも自分の素顔って、最初は中々出せないものでしょう?


「はい。やっぱり、恐れていましたからね。自分を出すことで嫌われたらどうしようって思って。当時はGLAYが上に上がろうと思って頑張っていた時期で、まだ結果が出ていない状態だったし。一生懸命やっているんだけど結果が出ないっていう状況で、一つのミスも許されないっていう時だったから」

●まだ、自分に自信がなかったのかな?

「いやいや。自信はあったんです。でも、当時は普段の自分さえも作っていたかもしれない。普段も本当の自分じゃない姿を見せて、それで俗に言う『カリスマ』を作り上げようとしていたんです。でも、そんなことはムダなことだって、だんだん気づいてきて(笑)。十年、二十年も嘘をつき通す自信もなかったし。そんなことを統けていたら、いつかきっとボロッと崩れる時が来るんじゃないかなと思ったんです。だったらもう早めに、そういう姿は崩していこうと思って」


●その選択は、よかったと思いますよ。周りから崩されていく前に、自分から積極的に崩していった方が格好いいじやないですか。


「うん。普段からカリスマ性に溢れているならいいけど、俺はまったく違うから(笑)。だから、もっと素直に生きようと思い始めたんです(笑)」


●賛成です(笑)。ずっとGLAYで歌ってきたわけですけど、やっぱり歌うことと同じくらいGLAYにも
愛情を感じていますか?


「いや。今では、愛情っていう感じでもないんです。よく、あるじゃないですか。同じ女性と十年も付き合うと、愛情をを越えてしまうっていうことが。それと同じようにGLAYは凄く大切なんだけど、もういちいち愛情を感じたりはしないんです。メンバーも、もう友達っていうより兄弟に近いと思うし。高校二年の特から、ずっと一緒ですからね。だから、GLAYって俺にとって何だろうとかって考えたこともないんです」


●GLAYをずっとやってきた中で、止めたいと思ったことはなかったんですか?


「多少は、ありましたね。金がなくてもリハーサルに入らないといけなかった時とか。でも、経済的なことよりも、そういう状況から起きる精神的な面の方が大きかったんですけどね。もう、東京の暮らしに耐え切れなかったんです。バンドをやるために東京に出てきたのに、何で生活のために仕事をしないといけないん
だろうって思って。何で、仕事のためにバンドを疎かにしないといけないんだろうとかね。本当だったら1週間に3・4回はメンバーと会って、話をしたり、リハーサルに入ったりしたかったんです。でも実際には、1週間に1回くらいしか会えなくて。みんな仕事をし
ていたから、思うようにリハーサルもできなかったし。そういったことで、かなり煮詰まっていたんです」

●そういうキビシイ状況でも、負けずに歌いつづけた原動力って何だと思いますか?

「うーん。意地でしょうね。意地もあったし、後はやっぱり仲間がいたからじゃないかな。それが一番大きな理由だと思います。きっと1人だったら諦めて帰っていたと思うんですよね。でも、あんまりそういうことを考えたこともないんです。『何で歌うのか?』とか。歌うことは当たり前のことだと思っていたし」

●やりたいことが、はっきりしていたんですね。そういえば歌に限らず、TERUは絵も描くでしょう?

「はい。もう幼稚園の頃から、絵を描くのが好きで。幼稚園の頃はアニメの主人公とかを描いていて、小学校の頃から左手とか右手を描くのが好きになったんです。

●小学校で、すでに手のデッサンを描いていたとは凄いですね。早熟だったのかな?


「周りに親戚が多かったんです、俺。それで、よく遊んでいた兄さんなんかも、10歳年上だったりしたから。そのせいで、割とマセていたんだと思います。タバコを初めて吸ったのも、小学校の1年の時だったし。それで、俺はもう絶対にタバコは吸わないと思って(笑)」


●小1じゃ、当たり前ですよ(笑)。その頃は、手をデッサンする以外にどんな絵を描いていたんですか?


「例えば、目の前にあるものをリアルに描いてみたくなって。そのうちに今度は架空のものに走ったんです」


●シュール・リアリズム系?


「いや。シュール系じやなくて、自分が住んでみたい架空の街並とかです。例えば、建物を自分の空想で描いてみたりとか。高校の頃からそういうものを描くようになって、それが今まで続いているんです。なら、何でも作れるじやないですか。誰かに『ここは、ちょっと違うな』とか『これは、似てないよ』って言われることもないし(笑)」


●TERUの絵は、とても独学とは思えないものなんですよね。
それに、野球とかサッカーも得意だったんでしょう。やっぱり集中力があるのかな?

「そうだと思います。俺って何かを始めると結局それしか見えなくなるんです。でも1度イヤになると、それっきりだったりするんですけどね(笑)」


●興味があることには、凄く熱中するタイプなんですね。でもTERUみたいにいろんなことを一生懸命愛することが、結局は自分の人生を愛することにつながっていくと思うんですよ。


「そうですね。そう思います。たまに、目分の人生が嫌いになったこともありましたけど。今は、やっぱり好きだな。今は、ちょうどバランスがいいから。俺ね、バイクやデザインにも興味があるんです。それに、絵本も作ってみたいし。絵本って本の中で一番好きなんです。いろんな人に夢を与えられるものだから。俺は、結構想像力がある方だと思うんです。だから、
その想像力で世間を『アッ!』と言わせたいんです。




ファンになりたてのとのぷが無け無しのお金をはたいて(爆)買ったこの本。やっとメンバーさんの顔を覚えて、BELOVEDという曲を聴いてからTERUさんのインタビューを読んだんですが・・・・

「TERUさんって・・・スゲェ大人だ・・・・」

って思った内容でした。
この後に続くほかのメンバーさんと比べると・・・・なんていうか、「愛」を語る重みが全然違うというか。
この人は「愛」がなんたるかを知ってるんだと、ホントにすごく大人の印象を受けた記憶があります。・・・当時25歳くらいなのに、愛語れるなんて、、、きっと大事な人がいるんだろうなぁと思ってた。(^^)
(その後週刊誌とかで発覚しても、あぁこの時の発言はやっぱりニャ、という感じ。こんな内容読んだら驚かないって!(^-^;)


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