あいつの娘
ひどい言い草だが、その通りだ。あいつと別れたのも、それが主な原因だ。今でも、まともな職には就いていない。
あいつと別れてから、娘には一度も会っていない。
もう十五年にもなる。当時五歳だったあの子は、もう私の顔など忘れてしまっているだろう。私だって、一目で娘とわかるか心許無い。それでも、一度私に会ってみたいと申し出てくれたことに感謝している。会いたかったのは私も同じだ。しかし、自分に自信が持てず、どうしても申し出られずに、気がついたら四十過ぎの中年になっていた。
実際に会ってみると、娘は垢抜けた女の子だった。その明るさに導かれながら、私は徐々に緊張をほぐしていく。
「お母さんの言ってた通りの人みたいね」
突然、娘がそんなことを言う。
「えっ?」
「あいつ…いや、お母さんは私のことを、どう言ってたんだい?」
娘は、畳み掛けるようにことばを返す。
「碌に働きもしないで」
うっ…!
妄言王のアとガキ
別の人の元話があってそれに刺激されて書いた。でも全然別物。
父娘の再会で、ラストの娘の科白が「お母さんの言ってた通りの人」。
うーん、それってどういう人?
との疑問が湧いてきて、もう少し予なりに話を続けたいと勝手に思った。
その作品の向こうを張ってシリアスに書くのはどうかと思った。
で、こうなった。