レイン・ガール

 
 
結婚式。
 ふりしきる雨。
 やっぱり。
 あたしの人生って、いつもそうなんだ。



 幼稚園のとき。
 雨のなか、友だちとはしゃぎまわった。
 あたしだけ風邪ひいた。
 
 小学校の遠足、運動会、お花見。
 青空のもとでやった記憶がない。
 
 中学校の修学旅行。
 二泊三日の京都・奈良。
 学校をでたときは、晴れ。
 金閣寺を見たときも、鹿せんべいを買ったときも、雨。
 帰りのバスから見たのは、雲ひとつない青空。

 盲腸。
 入院していたあいだは、ずーっと晴れ。
 退院した日は、雨。
 
 高校の修学旅行。
 三泊四日の沖縄。
 季節外れの台風が、本島を直撃。
 一歩も外にでられず、ホテルに缶詰。
 唯一の思い出は、友達とのトランプ。

 バーベキューパーティ。
 「明日の降水確率は0%」なんてうれしいことをいってくれる。
 次の日になってわかったのは、天下の気象庁があたしをだましたってこと。

 キャンプ。
 だから、あたしをさそうなっていったのに。


 友達に招待されたクリスマスパーティー。
 「どうせ」とおもって、傘をもってでかける。
 だけど、雨も雪もふらなかった。
 とってもごきげん。
 だったのに、足をすべらせて川におちた。

 ものはためし、とおもってうけた二流大学。
 奇跡的に合格。
 クラスのみんなから、拍手の雨あられ。

 大学の新人歓迎会。
 先輩たちから、ビールの雨。
 口から胃袋がでてくるかとおもうほどはいた。

 成人式。
 あたしの人生のなかで、最大級の集中豪雨。
 道路は川。
 家は床上浸水。
 着物をぬらさず会場にいくことなんか、どう考えても無理。
 貸衣装代だけじゃなく、クリーニング代もとられた。

 就職。
 雨具をあつかっている会社だけが内定。
 大笑いした。
 
 デート。
 もちろん雨。
 彼が何気なくいった。
「ぼくの人生って、大事な日にはいつも雨がふるんだ」

 傘の下、キスの雨。



 結婚式。
 ふりしきる雨。
 いつもにくったらしい雨。
 でも、今日だけは二人を祝福してくれてるようにおもえる。

 あたし、ふとかんがえちゃった。
 もし彼が浮気をしたら、やっぱり血の雨がふるのかな…なんてね。

 


妄言王のアとガキ
「雨女」だと妖怪みたいなのでやめた。

Back