教育要領・保育指針
 

 保育指針 

第二章 子どもの発達


 乳幼児期は子どもの心身の発育・発達が著しく、また、基礎が形成される。しかし、一人一人の子どもの個人差は大きいため、保育に当たっては、発達の過程や生活環境など子どもの発達の全体的な姿を把握しながら行う必要がある。


1 子どもと大人との関係

  子どもは、身体的にも精神的にも未熟な状態で生まれ、大人に保護され、養育される。その際、大人と子どもの相互作用が十分に行われることによって、将来に向けての望ましい発育・発達を続け、人間として必要な事柄を身につけることができる。中でも重要なことは、人への信頼感と自己の主体性を形成することであり、それは、愛情豊かで思慮深い大人の保護・世話などの活動を通じた大人と子どもの相互関係の中で培われる。子どもは、大人によって生命を守られ、愛され、信頼されることによって、自分も大人を愛し、信頼していくようになる。大人との相互作用によって情緒的に安定し、大人の期待に自ら応えようという気持ちが育ち、次第に主体的に活動するようになり、さらに、きょうだいを始め周囲の者に対して関心を持ち、関わりを広め、増やしながら、自我が芽生えてくる。
  このように発達初期に自分の行動を認めてくれる大人と相互関係を持つことにより、その後の一層の発達が促される。子どもは自発的に身近な事物や出来事に興味や関心を示して働きかけたり、積極的に特定の大人との関係をつくろうとするなど、自分の気持ちを明確に表現し、自分の意思で何かをするようになる。
  このようにして、自分が主体となって選択し、決定して行動するという自己の能動性に自信を持つようになり、言葉や思考力、自己統制力を発達させていく。


2 子ども自身の発達

  子どもの発達は、子どもと子どもを取り巻く環境内の人や自然、事物、出来事などとの相互作用の結果として進んでいく。
  その際、そこに主体的に関わっている子ども自身の力を認めることが大切である。すなわち、発達とは、子どもが心身の自然な成長に伴い、それぞれの子どもに応じた自発的、能動的な興味、好奇心や、それまでに身につけてきた知識、能力を基にして、生活環境内の対象へ働きかけ、その対象との相互作用の一結果として、新たな態度や知識、能力を身につけていく過程である。
  特に、中心となることは人との相互作用である。子どもは、乳幼児期を通じて、大人との交流、応答や大人から理解されることを求め、自分が大人に理解されたように自分からも大人を理解しようとする。この大人との関係を土台として、次第に他の子どもとの間でも相互に働きかけ、社会的相互作用を行うようになる。
  このような大人との相互作用とは違って、自分とよく似た視点を持つ他の子どもとの間で行われる社会的相互作用は、子どもの情緒的、社会的、道徳的な発達のみならず、知的発達にとっても不可欠な体験である。
  子どもが思考力をはじめとした多くの能力を発達させるために必要な論理の展開も、子ども同士の社会的相互作用なしには経験し得ない。すなわち、自分の考えを相手に理解してもらいたいという気持ちを持ったり、相手に説明しようという気持ちを持つのも、仲間との社会的相互作用によるからである。また、大人との上下の関係とは違う横の対等の関係の中で、自己主張や自己抑制の必要性や方法を学び取っていく。
  また、子どもは、その生理的・身体的な諸条件や養育環境の違いによって、その発達の進み方や現れ方が異なってくることを認識することが重要である。


3 子どもの生活と発達の援助

  子どもの発達は、子どもとその環境内の対象との相互作用を通してなされるものであり、子どもの発達を促すためには、大人の側からの働きかけばかりでなく、子どもからの自発的、能動的な働きかけが行われるようにすることが必要である。
  したがって、保育所においては、一人一人の子どもが、安心して生活ができ、また、発達に応じた適切な刺激と援助が与えられることにより、能動的、意欲的に活動ができるような環境が構成されなければならない。
  このため家庭や地域と連携を持った安定した子どもの生活と、子どもをありのままに見て、それを深く理解して受容しようとする保育士との信頼関係が必要となる。
  子どもの活動には、大別して、食事、排泄、休息、衣服の調節などの生活に関わる部分と遊びの部分とがあるが、子どもの主体的活動の中心となるのは遊びである。
  子どもの遊びは、子どもの発達と密接に関連して現れるし、また逆にその遊びによって発達が刺激され、助長される。つまり、遊びは乳幼児の発達に必要な体験が相互に関連し合って総合的に営まれていることから、遊びを通しての総合的な保育をすることが必要である。この際、保育士は子どもと生活や遊びを共にする中で、一人一人の子どもの心身の状態をよく把握しながら、その発達の援助を行うことが必要である。
  また、様々な条件により、子どもに発達の遅れや保育所の生活に慣れにくい状態がみられても、その子どもなりの努力が行われているので、その努力を評価して、各年齢別の発達の一般的な特徴を押しつけることなく、一人一人の子どもの発達の特性や発達の課題に十分に留意して保育を行う必要がある。








新教育要領 年少 年中 年長

ねらい及び内容
(各年に応じた5つの領域を主体とした学校教育)



保育指針
第1章 総則
第2章 子どもの発達
第3章 6か月未満児の保育の内容
第4章 6か月から1歳3か月未満児の保育の内容
第5章 1歳3か月から2歳未満児の保育の内容
第6章 2歳児の保育の内容
第7章 3歳児の保育の内容
第8章 4歳児の保育の内容
第9章 5歳児の保育の内容
第10章 6歳児の保育の内容
第11章 保育の計画作成上の留意事項
第12章 健康・安全に関する留意事項