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脳を老けさせない4つの方法〜こんな<パソコン習慣>が認知症リスクを低下させる |
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平成27年2月 |
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「日常生活支援度U(認知症自立度U)」と聞いて、その言葉の意味を正確に説明できる人はどれくらいいるだろうか? これは日常生活に支障を来すような症状や行動、意思疎通に多少の困難などが見られても、誰かが注意さえすれば自立できる状態を指す。 同じく「困難などがときどき見られ、介護が必要とする」状態が、「日常生活支援度V(認知症自立度V)」と呼ばれている。 厚生労働省が2012年秋に公表した「認知症施策推進5か年計画/オレンジプラン」によれば、上記の日常生活支援度U以上の認知症高齢者数の将来推計は次のような数字を弾き出している |
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▶︎平成27(2015)年:345万人(10.2%/65歳以上人口比) |
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従来のわが国の高齢化問題は、その「進展の速さ」が問題視されてきたが、一昨年(2015年)以降は「高さ=高齢者数の多さ」の問題へと転換したといわれる。 その転換年である2015が推計345万人であるのに対し、東京五輪の2020年には「誰かが注意さえすれば自立できる」状態以上の人口が410万人! さらに、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に達する2025年になると470万人!! |
認知症リスクを低下させるPC習慣(depositphotos.com) |
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それほど急激な増加が予測されるほどの深刻さだ。 |
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認知症予防のための「脳トレ」は何歳から始めるべき? |
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脳が物事の善悪を理解したり、出来事を理解する機能は、通常、80歳くらいまでは低下しないという。一方、認知症は決して高齢者に限られたものではなく、自覚がないだけで40代の人間でも脳は日々委縮をくり返している。 早い時期から脳を働かせる生活を心掛けるのは現代人の必須事項だが、ではいったい、精神的な刺激となる日々の活動は、幾つくらいまで有効性を発揮するものなのだろうか? |
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ある種の指標となるような研究報告が『Journal of the American
Medical Association(JAMA)』(1月30日号)に掲載されたので紹介しておこう。 メイヨークリニックアルツハイマー病研究センター(米ミネソタ州)のRonald Petersen氏らの研究成果で、次のような具体的な活動を行なうことで、70歳以上での加齢による認知機能低下リスクを低減できることが判明したというものだ。 |
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コンピュータの使用で30%のリスク低下! |
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Petersen氏らは、メイヨークリニック加齢研究に参加した「認知機能の正常な男女1900人超」を平均で4年間に渡って追跡調査した。研究開始時点の男女対象者の平均年齢は「77歳」であり、うち当該期間中に「450人超」が軽度認知障害(MCI)を発症している。 また、今回の研究は因果関係の証明をめざしたものではないが、特定の精神的な刺激となる活動を定期的に行なうと、記憶障害や思考障害のリスク低下が望まれることが判明した。 研究陣によれば、認知症やアルツハイマー病の遺伝的リスク因子である「アポリポ蛋白(APOE)E4」を有する人にも役立つそうだ。 |
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今回の研究で試みられ、リスク低減の効果が読み取れた「精神的な刺激となる活動」の内容と割合は以下のとおりである。 ▶︎コンピュータ使用により30%のリスク低下。 70歳以上の人間がこれらの活動を週1〜2回以上行なった場合、月2〜3回以下の例に比べて記憶力や思考力の低下が少ないという傾向がみられた。 |
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<作業>ではなく<楽しみながら>が大事 |
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一方、新聞や本を定期的に読む活動レベルでは、記憶力や思考力については同様の「便益」が認められなかったというから、やはり「日常習慣+α」の活動を盛り込まないとリスク低下は期待できないということか。 また、前述の「アポリポ蛋白(APOE)E4」の遺伝子リスク因子を有する層に関しては、コンピュータ使用あるいは社会活動への参加という活動において、認知機能低下の幾分かの保護効果が読み取れた。 「脳に良いトレーニングには、問題を発見し、その問題解決のためにモノを動かすなどの、さまざまなレベルの知的刺激が必要とされる。しかしながら、これらの知的活動を毎日の決まった作業にしてしまっては意味がないし、あくまでも楽しみながら行なうことが肝要である」(Petersen氏) 漢字・ひらがな・カタカナを器用に使いこなす日本人の場合、脳トレの選択肢にもアドバンテージがありそうな気がするが、そのあたりはどうなのか……。 特に問題集を広げるまでもなく、計算ならば日々の買い物時に合計金額を脳内で弾いてみたり、財布と相談しながら小銭の使い道を思考する程度でも何もしないよりはいいようだ。ボケのリスク低減は細やかな喜びからだろう。 |
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